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最終保障供給とは?制度内容や仕組み、料金内容、注意点を解説

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最終保障供給とは?制度内容や仕組み、料金内容、注意点を解説
工場や事業所などでは、電気を「最終保障供給」の約款にもとづき契約しているケースがあります。実は、この最終保障供給は2022年9月に制度変更があり、必ずしもメリットが得られるわけではないことをご存じでしょうか。
ここでは、最終保障供給の制度内容や電気料金の仕組みを解説します。また、現在、最終保障供給制度を利用している事業者が押さえるべき注意点や、検討してほしい電気料金についてもふれていますので、ぜひ参考にしてください。

最終保障供給とは、安定した電気の供給を保障するための制度

最終保障供給とは、安定した電気の供給を保障するための制度です。電力会社と電気最終保障供給約款にもとづいた契約が必要であり、契約期間は基本的に1年以内となっています。
例えば、自社が契約している小売電気事業者が倒産や事業撤退となった場合、電気が供給されなくなるおそれがあります。電力供給が途絶えてしまうと、正常な事業運営が困難になり、顧客や取引先が不利益を被ることになりかねません。
こうした不測の事態に備えて、空白期間を作ることなく電気を供給するために設けられた制度が最終保障供給です。

最終保障供給は、高圧や特別高圧の需要家が対象

電力会社が供給する電力は、電圧によって大きく「低圧」「高圧」「特別高圧」の3種類に分類されます。それぞれの対象となる主な契約者は、下記のとおりです。

<3種類の電圧と主な契約者>
・低圧(50kW未満):一般家庭・小型商店など
・高圧(50~2,000kW):事業所・中小規模工場など
・特別高圧(2,000kW以上):大規模工場・コンビナートなど

最終保障供給は、上記のうちどの電圧にも適用されるわけではありません。最終保障供給の対象となるのは、高圧や特別高圧の需要家のみとなります。

最終保障供給の契約件数の推移

最終保障供給の契約件数は、2022年2月以降に急増しました。その背景には、ロシアがウクライナに侵攻したことに伴う発電燃料価格の高騰や化石燃料価格の上昇が挙げられます。その影響で新電力の経営破綻や電力供給の停止が相次いだことを受け、契約件数が大きく伸びたのです。
下記は、2022年8月1日から2023年8月1日までの最終保障供給の契約電力と件数です。2022年から2023年の3月にかけて契約件数が多いことが確認できます。

最終保障供給の契約電力と件数

出典:経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会「令和5年8月1日時点における最終保障供給契約件数を公表いたしました

一方で、2023年4月に最終保障供給の電力量単価が値上げとなったことに伴い、契約件数は急速に減少しつつあります。2023年8月時点では、2022年8月の3分の1程度にまで契約件数が落ち込んでいるのが実情です。

最終保障供給が注目されている背景

最終保障供給が注目され、一時は契約件数が急増した背景には、新電力の台頭があります。特別高圧は2000年3月、高圧は2004年4月~2005年4月にかけて段階的に電力小売が自由化されました。

新電力の事業者の多くは、自社で発電部門や送配電部門を持たず、電力の小売りのみ扱っています。電力事業者に限らず幅広い業種の企業が新電力事業者として参入したことにより、需要家が選べる電力事業者の幅は広がりました。一方で、新電力各社は厳しい市場競争にさらされ、燃料費高騰などの影響を強く受けやすい状況に陥った面もあります。

経営破綻のリスクをはらんだ新電力と契約している事業者にとって、最終保障供給は電力供給の停止による事業への影響を回避する手段のひとつとなりました。そして2023年4月、電力量単価が改定されたことにより、再び最終保障供給が話題に上るようになったのです。

最終保障供給の基本料金と電力量料金

最終保障供給の基本料金や電力量料金は、2023年4月1日以降どのように改定されたのでしょうか。東京電力パワーグリッド株式会社の場合、新旧の料金単価は下記のとおりです。

東京電力パワーグリッド株式会社の新旧料金単価

出典:東京電力パワーグリッド株式会社「最終保障供給約款の見直し概要

東京電力パワーグリッド株式会社の場合、最終保障電力Aはオフィスや病院、大型店舗などを対象とした料金単価、最終保障電力Bは工場や倉庫などを対象とした料金単価です。いずれの料金プラン・供給電圧においても、基本料金・電力量料金が値上がりしていることがわかります。

HTBエナジーってどんな新電力?

最終保障供給の制度見直しの流れ

従来、最終保障供給の電気料金は、各エリアの大手電力会社が提供する標準プランの1.2倍に設定されていました。しかし、2022年9月1日に改定された料金体系では、市場連動要素を含む制度へと移行したことが大きな見直しのポイントです。
これにより、大手電力会社の標準プランの1.2倍を最低料金と定めた上で、市場価格が各電力会社の平均額を上回った部分については、最低料金に上乗せされることになりました。各電力会社における2023年9月時点での対応は下記のとおりです。

<各電力会社の対応>
・最終保障供給を市場連動料金に移行:北海道電力株式会社、中部電力株式会社、北陸電力株式会社、関西電力株式会社、中国電力株式会社、四国電力株式会社
・最終保障供給の新規受付を停止、市場連動型プランを主に案内:東北電力株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社、九州電力株式会社
・最終保障供給の料金値上げのみ:沖縄電力株式会社

最終保障供給の注意点

最終保障供給には、いくつか注意しておくべき点があります。特に、下記に紹介する3点については、最終保障供給の特性として理解しておく必要があるでしょう。

通常の料金プランよりは高い

前述のとおり、最終保障供給では各電力会社が提供する標準プランの1.2倍を最低料金の水準として定めています。そこから市場価格を加味して電気料金が上乗せされる料金体系です。
つまり、通常の料金プランよりも、電気代が高く設定されているのです。不測の事態に備えて電力供給が一定期間保障される反面、電気料金が割高である点を押さえておく必要があります。

市場連動要素を含む料金体系になっている

2022年9月に行われた制度改定により、最終保障供給は料金体系に市場連動要素を含めることになりました。2023年9月時点では各電力会社が提供する標準プランの1.2倍を最低料金の水準としているものの、今後さらに電力取引の市場価格が高騰することがあれば、再び料金が見直される可能性もあります。
昨今の燃料費高騰や物価高などの状況を踏まえると、市場連動要素を含む料金体系へと移行したことは重要な注意点といえるでしょう。

契約期間は1年以内

最終保障供給の契約期間は1年以内と定められています。最終保障供給は元々長期契約を前提とした制度ではなく、小売電気事業者の廃業や事業撤退といった不測の事態に備え、一時的な回避策として設立された制度だからです。
つまり、今後も長年にわたり最終保障供給が適用された状態で、契約を継続することはできないと捉えたほうがいいでしょう。現在契約している小売電気事業者の経営状態に不安を覚える際は、最終保障供給の契約期間内に、ほかの小売電気事業者と契約することをおすすめします。

最終保障供給の電気料金が大きく値上げ

最終保障供給に市場連動要素が加わり、最終保障供給の電気料金は値上がりしています。最終保障供給がどのように値上げされているのか、改定された料金の内容を詳しく見ていきましょう。

市場価格調整項が新たに追加

毎月の平均市場価格と、電力会社が設定した基準となる基準市場価格の差額をもとに燃料費調整単価を補正するため、最終保障供給に「市場価格調整項」が追加されました。また、下図のとおり、燃料価格調整項において、算定諸元の見直しも行われています。
この見直しによって、「燃料費調整制度」が「燃料費等調整制度」に変更されることになりました。

■燃料費等調整制度の仕組み

燃料費等調整制度の仕組み

出典:東京電力パワーグリッド株式会社「最終保障供給約款の見直し概要

電力量料金単価が値上がりになり、下限値も設定された

2023年4月以降、多くの大手電力会社が一斉に電力量料金単価(従量単価)の値上げに踏み切りました。これは、燃料費の高騰により、従来の電力量料金単価を維持するのが困難な状況が続いていたから。最終保障供給の電力量料金単価に関しても、同様の理由で値上がりしているのです。

なお、2022年から大手電力会社の最終保障供給の電力量料金単価は、各エリアの標準料金プランの電力量料金単価を下限値とするよう設定されてきています。その目的は、最終保障供給契約を高い料金体系とすることで、新電力を含めた「電気の自由競争」の環境を取り戻すことだと見られています。
そのため、最終保障供給は市場連動であるものの、電気の市場価格が下落したとしても各エリアの標準料金プランの電力量料金単価より下がるといった期待はできないでしょう。

最終保障供給の申込み方法

最終保障供給に申し込む際には、各地区の送配電事業者に問い合わせるのが基本的な手続きの進め方です。需要場所や供給に関する各種条件の確認が行われ、事業者とのあいだで合意を得たのちに契約を締結することになります。
最終保障供給は、電気の用途に応じて「最終保障電力A」または「最終保障電力B」に決定されます。契約期間中、何らかのトラブルにより別の送配電線から電気を供給する必要に迫られた場合に限り、「最終保障予備電力」へと切り替えられるのが一般的です。

最終保障供給を契約しているなら早々に小売契約に変更を

現状、最終保障供給を契約している事業者の方は、できるだけ早めに小売契約に切り替えることをおすすめします。最終保障供給は、あくまでも一時的な回避策として設けられている制度です。最終保障供給にとどまり続けるとコスト増につながる可能性が高いばかりか、市場価格の動向によっては今後ますます事業者にとってのデメリットが大きくなるおそれがあります。
現在の契約内容を確認の上、もし最終保障供給約款が適用されているようであれば、早々に小売契約への変更を検討しましょう。

最終保障供給の疑問をQ&Aで解消!

最終保障供給の疑問をQ&Aで解消!

最終保障供給についてよくある質問をQ&Aにまとめました。最終保障供給に関する疑問点や不明点を解消する上でお役立てください。

Q. 最終保障供給とは、どのような制度ですか?

最終保障供給とは、安定的な電力供給を保障するために設けられた制度のことです。現在契約している小売電気事業者が廃業や事業撤退などにより電気を供給し続けられなくなった場合、事業活動を正常に継続できなくなるおそれがあります。このような不測の事態に備えて、電力供給を途絶えさせないようにすることが最終保障供給の目的です。
最終保障供給約款の対象は、高圧または特別高圧の需要家です。一般家庭や小売商店などで主に利用されている低圧契約には最終保障供給約款は適用されません。

詳しくは、「最終保障供給とは、安定した電気の供給を保障するための制度」をご覧ください。

Q. 最終保障供給に申し込む方法は?

最終保障供給に申し込む際には、各地区の送配電事業者に問い合わせるのが基本的な手続きの進め方です。需要場所や供給に関する各種条件の確認が行われ、事業者とのあいだで合意を得たのちに契約を締結することになります。

詳しくは、「最終保障供給の申込み方法」をご覧ください。

【まとめ】最終保障供給で契約中の事業者様は、早期にHTBエナジーへの切り替えを

最終保障供給は、小売電気事業者が何らかの理由で電力供給を続けられなくなった場合の回避策として設けられた制度です。そもそも長期にわたって契約することは想定されていないことに加え、昨今の制度改定により事業者にとって加入し続けるメリットは少なくなっています。現状、最終保障供給で契約中の事業者様は、できるだけ早い時期に小売契約へと切り替えるのが得策でしょう。

HTBエナジーでは、高圧電力をご利用の法人様を対象に、「市場連動プラン」を提供しています。最終保障供給から契約を切り替えたい事業者様のご相談にも応じていますので、契約の切り替えにお悩みの事業者様はHTBエナジーにお問い合わせください。

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