電気の契約アンペア数は変更すべき?基本料金の違いや注意点を解説
今回は、契約アンペア数の変更によって電気代が変わる仕組みや、適正な契約アンペア数の選び方、契約アンペア数の変更方法についてわかりやすく解説します。契約アンペア数を変更する際に注意しておきたいポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
契約アンペア数の確認方法
一般世帯において最も契約数の多い電気料金メニューは、「従量電灯B」です。家庭向けの電気料金プランとしては、一般的な料金体系といえます。この電気料金メニューでは、契約アンペア数に応じて電気代が決まります。
現在契約中のアンペア数を知るには、「分電盤を確認する」「電気ご使用量のお知らせ(検針票)を確認する」という2つの方法がありますので、それぞれの確認方法を見ていきましょう。
分電盤を確認する
分電盤とは、アンペアブレーカーが取り付けられている電気設備のことです。電線を伝わって送られてきた電気は、分電盤によって建物内の各部屋へ分配されています。
目視が可能な場所に分電盤が設置されている場合には、アンペアブレーカーの色を確認することで現在契約中のアンペア数がわかります。アンペアブレーカーの色で判別できる契約アンペア数は、下記のとおりです。
- <アンペアブレーカーの色と契約アンペア数>
- ・赤:10A
- ・桃:15A
- ・黄:20A
- ・緑:30A
- ・灰:40A
- ・茶:50A
- ・紫:60A
分電盤によっては、色と併せてアンペア数が記載されている場合もあります。現在の契約アンペア数を把握したい場合には、まず分電盤を確認しましょう。
電気ご使用量のお知らせ(検針票)を確認する
毎月の電気代を算出した結果は「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」に記載されています。検針票に「ご契約 40A」と記載されていれば、それが契約アンペア数です。
検針票は紙で届けられるほか、各電力会社のWEBサイトにある契約者向けのマイページなどでも確認できる場合があります。WEB検針票にも契約アンペア数は記載されているため、紙の検針票が手元にない場合はWEB検針票を確認しましょう。
契約アンペア数に応じて決まる電気料金
電気代は大きく分けて「基本料金+従量料金」で構成されています。ここでは、基本料金と従量料金の違いや、契約アンペア数と電気代の関係について詳しく見ていきましょう。
契約アンペア数を下げれば基本料金が下がる
契約アンペア数を下げると基本料金が下がるため電気代は安くなります。なお、下がるのはあくまでも基本料金の部分のみです。
基本料金とは、電気の使用量にかかわらず毎月必ずかかる固定費のことを指します。電気の使用量に応じて算出される従量料金は、電気を使った分だけ電気代がかかります。
契約アンペア数と電気料金の目安
契約アンペア数に応じた基本料金の設定は、電力会社ごとに異なります。下記は、東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」の基本料金を一例として示したものです。
- <契約アンペア数と基本料金の例>
- ・10A:311.75円
- ・15A:467.63円
- ・20A:623.50円
- ・30A:935.25円
- ・40A:1,247円
- ・50A:1,558.75円
- ・60A:1,870.50円
※出典:東京電力エナジーパートナー「電気料金単価表(低圧)」
この例では、契約アンペア数が20Aの場合と50Aの場合で、基本料金の月額におよそ935円の差があることがわかります。この基本料金の差が、電気代の違いとなって現れるのです。
適正な契約アンペア数の選び方
契約アンペア数を下げれば基本料金が安くなるからといって、無闇に契約アンペア数を下げるべきではありません。なぜなら、使用する電気機器の総アンペア数が契約アンペア数を上回るとブレーカーが作動し、電気の供給が一時的にストップしてしまうからです。
自宅の適正な契約アンペア数を見極める際には、同時に使用する電気機器の総アンペア数を把握しておく必要があります。
アンペア数の計算例
家庭で使用する一般的な電気機器のアンペア数の目安は、次のとおりです。
- <一般的な電気機器のアンペア数目安>
- ・エアコン:冷房時5.8A、暖房時6.6A
- ・電気カーペット(3畳用):半面4A、全面8A
- ・液晶テレビ(42型):2.1A
- ・掃除機:弱運転時2A、強運転時10A
- ・アイロン:14A
- ・ヘアードライヤー:12A
- ・冷蔵庫(450Lクラス):2.5A
- ・電子レンジ(30Lクラス):15A
- ・炊飯器(5.5合・炊飯時):13A
- ・IHクッキングヒーター:20~30A
- ・食洗機:13A
- ・ドラム式洗濯機:洗濯時2A、乾燥時13A
※出典:京電力エナジーパートナー「主な電気機器のアンペアの目安」
例えば、冬場にエアコンの暖房運転と電気カーペット全面・テレビ・食洗機を同時に使用した場合、合計29.7Aを使用することになります。その際、さらに照明や換気扇といった機器も使用する可能性があることを踏まえると、契約アンペア数が30Aでは不足しかねません。余裕を持って、40Aで契約したほうが安心でしょう。
このように、一年を通じて最も多くの電気を使用する時期を、概算でつかんでおくことが大切です。現在の契約アンペア数が使用アンペア数に対して高いようなら、契約アンペア数を下げるのもひとつの方法といえます。
アンペア数を変更するときの工事内容
アンペア数を変更する際に行われる工事は、現在設置されている電力メーターがアナログ式電力メーターかスマートメーターかによって異なります。ここでは、それぞれの工事内容を確認しておきましょう。
アナログ式電力メーターの場合
アナログ式電力メーターの場合は、アンペアブレーカーの取り替え工事が必要です。アナログメーターとは、使用電力量を示す数値部分が回転式の機構になっているメーターを指します。アンペアブレーカーは契約アンペア数に応じて専用のものが設置されているため、契約アンペア数の変更に伴い取り替え工事が必要になるのです。
スマートメーターの場合
現在設置されている電気メーターがスマートメーターであれば、電力会社が遠隔操作で契約アンペア数の切り替えを行うため、アンペアブレーカーの取り替え工事は必要ありません。スマートメーターとは、使用電力量を示す数値部分がデジタル表示になっているメーターのことを指します。アンペアブレーカーの取り替え工事が必要かどうかを事前に把握するためにも、設置されている電気メーターの種類は確認しておきましょう。
契約アンペア数の変更方法
契約アンペア数を変更するには、どのように手続きを進めればよいのでしょうか。自宅などでスマートメーターを利用しているのであれば、アンペアブレーカーはスマートメーターに内蔵されています。契約アンペア数は電力会社がリモートで変更できるため、契約している電力会社に連絡をすれば変更の申込みは完了です。
ここでは、工事の立会いなどが必要となる、アナログ式電力メーターを使用している場合の契約アンペアの変更方法をご紹介します。
1. 契約内容を確認する
初めに、現在の契約内容を確認します。現在契約しているアンペア数を調べ、実際の電気の使用量と比較して適正かどうかを見極めることが大切です。
なお、電気料金プランによっては、アンペア制ではないことも想定されます。契約中のアンペア数が見当たらない場合には、検針票や電力会社WEBサイトのマイページなどで、契約内容を確認しておく必要があります。
2. 電力会社にアンペア数変更の申込みをする
変更するアンペア数が決まったら、電力会社へ連絡して変更の申込みをします。後述するように、契約アンペア数の切り替え時にはアンペアブレーカーの取り替え工事が必要になるため、工事日時を相談して決めましょう。
なお、契約アンペア数の変更とそのほかの契約内容変更は、同時にできない場合があります。契約する料金プランや電力会社の切り替えを検討している場合には、先に契約アンペア数の変更を済ませたのち、料金プランや電力会社の切り替えを行うとスムーズです。
3. アンペアブレーカーを取り替える
現在設置されているアンペアブレーカーを、変更後の契約アンペア数に対応したものに取り替える工事が行われます。工事そのものは大掛かりなものではないものの、アンペアブレーカーは屋内に設置されているケースが大半のため、住人が不在では工事ができません。電力会社と工事の日時について相談し、工事当日は必ず在宅しているようにしてください。
契約アンペア数を変更するときの注意点
契約アンペア数を変更する際には、注意しておきたい点もあります。思わぬトラブルに発展することのないよう、下記の3点を押さえておくことが大切です。
賃貸の場合はアンペア数が変更できないこともある
現在の住まいが賃貸住宅の場合、部屋ごとにアンペア数の変更ができないことがあります。建物全体で使用できるアンペア数の最大容量が決められている場合、戸別にアンペア数を上げてしまうと最大容量を超えてしまうおそれがあるからです。
物件によっては、契約アンペア数の変更自体はできるものの、退去時には入居時のアンペア数に戻すことが原状回復の条件に含まれている場合もあります。賃貸住宅で契約アンペア数の変更を希望する場合には、管理会社や大家さんに確認しておくほうが安心です。
一度アンペア数を変更すると原則1年間は戻せない
契約アンペア数を変更後は、原則1年間はさらなる変更ができません。仮に契約アンペア数を下げたことで頻繁にブレーカーが落ちるようになったとしても、1年間はその状態で暮らしていく必要があるのです。
電気の使用量は季節によって変動しやすいため、特に契約アンペア数を下げる場合には、無理のないアンペア数になっているか慎重に確認する必要があります。
60Aを超える契約は、従量電灯Cへの切り替えが必要
従量電灯Bで契約可能なアンペア数は60Aまでです。60Aを超える契約にしたい場合は、より電気の使用量が多い家庭向けの「従量電灯C」へと契約を切り替える必要があります。
なお、従量電灯Cの場合は、基本料金が10Aごとにかかります。例えば、東京電力エナジーパートナー「従量電灯C」の場合、10Aあたりの基本料金は295円24銭です(※)。従量電灯Bとは電気料金の算出方法が異なる点にも注意してください。
※出典:東京電力エナジーパートナー「従量電灯B・C」
アンペア数変更にまつわる疑問をQ&Aで解消!
契約アンペア数の変更について、よくある質問をQ&Aにまとめました。疑問点や不明点を解消した上で、契約アンペア数の変更を検討しましょう。
Q. 契約アンペア数を変更すると電気代が変わるのはなぜですか?
一般世帯で最も契約数の多い「従量電灯B」の基本料金は、契約アンペア数に応じて決められています。契約アンペア数を上げれば基本料金も上がるため、その分だけ電気代は高くなる仕組みです。なお、契約アンペア数を下げたとしても、電気の使用量に応じて算出される従量料金が上がれば、電気代は高くなります。電気代を節約するには契約アンペア数を下げるだけでなく、上手な電気の使い方をしていくことも大切です。
Q. 契約アンペア数はどのように決めればよいでしょうか?
適正なアンペア数を見極めるには、家庭内で同時に使用する電気機器の総アンペア数を把握しておくことが大切です。使用する電気機器の総アンペア数が契約アンペア数を上回ると、ブレーカーが作動して一時的に電気の供給がストップします。一年を通じて最も多くの電気を使用する時期を把握した上で、現在の契約アンペア数が使用アンペア数を大きく上回っているようなら、契約アンペア数を下げることを検討してもいいでしょう。
Q. 契約アンペア数を変更する際に注意すべき点はありますか?
契約アンペア数の変更後は、原則1年間はさらなる変更ができません。実際の電気使用量に対して過小なアンペア数で契約してしまうと、頻繁にブレーカーが落ちて生活に支障をきたすおそれがあります。電気の使用量は季節によって変動するため、契約アンペア数を下げる場合には無理のないアンペア数かどうかを慎重に判断してください。
また、賃貸物件の場合は契約アンペア数を戸別に変更できない場合があります。契約アンペア数の変更が可能かどうか不明の場合は、管理会社や大家さんに確認しておくと安心です。
【まとめ】アンペア数変更に迷っている方は、早期にHTBエナジーへの切り替えのご検討も
契約アンペア数を変更すると電気の基本料金が下がるため、電気代を抑えられる場合があります。ただし、契約アンペア数の不足でブレーカーが頻繁に落ちるといった事態になる可能性もあるため、特に契約アンペア数を下げる場合には慎重な判断が必要です。
なお、契約アンペア数を切り替える際には、電気代の支払い方法の変更も検討することをおすすめします。口座振替やクレジットカード払いに切り替えることにより、振込用紙の利用だと発生しやすい支払い忘れを防げるからです。クレジットカード払いであればポイントも貯まるため、毎月の電気代の支払いにメリットが生まれます。
電気代を無理なく節約したい方には、お得なプランが豊富に用意されているHTBエナジーへの切り替えをおすすめします。
HTBエナジーなら、毎日2時間電気代が無料になるプランや、電気とガスをセットで契約するとセット割引が適用されるプランなど、ライフスタイルに合わせて選べるプランが豊富です。電気代を効果的に節約したい方や、無理に電気の使用量を減らしたくない方は、HTBエナジーへの切り替えをぜひご検討ください。
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