サーキュレーターの電気代は高い?1時間の消費電力や節約法を紹介
今回は、サーキュレーターの役割や種類のほか、扇風機との違いを紹介します。電気代のシミュレーションや、電気代を節約するための上手な活用法も併せて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
サーキュレーターと扇風機の違いとは?
まずは、サーキュレーターと扇風機の違いを確認していきましょう。サーキュレーターを扇風機として使う場合の注意点や、扇風機をサーキュレーターとして使う場合の注意点も併せて解説していきます。各々の機能と目的の違いを理解したら、正しい使い分けができるようになります。
サーキュレーターの機能と目的
サーキュレーターを使用する主な目的は「空気を循環させること」です。概ね、扇風機よりも小型のファンが使われており、風を一方向に送り出し、遠くまで届ける能力に優れています。
風を送り出す方向が広範囲に設定できるのも、サーキュレーターの特徴です。風を真上方向にも向けられるので、室内の空気を効率良く循環させることができます。
- <サーキュレーターの特徴>
- ・空気を循環させるために用いられる
- ・風を一方向に遠くまで送り出せる
- ・風を送り出す方向を広範囲に設定できる
扇風機の機能と目的
扇風機を使用する主な目的は「涼むこと」です。サーキュレーターと比べて大型のファンが使われることが多く、風を幅広い範囲に送ることができます。ただし、サーキュレーターほど遠くまで風を届けることはできないでしょう。
また、首振り機能やタイマー機能など、家電としての機能も搭載しています。なお、サーキュレーターと比べると、静音性に優れている製品が多いです。
用途・特徴 | サーキュ レーター |
扇風機 |
---|---|---|
空気を 循環させる |
◯ | △ |
風を遠くまで 届ける |
◯ | × |
涼むために 風にあたる |
× | ◯ |
静音性 | △ | ◯ |
サーキュレーターを扇風機として使う場合の注意点
サーキュレーターを、扇風機の代替として活用することはできるのでしょうか。確かに、風を送ることはできますが、サーキュレーターは一方向に風を送り出すため、扇風機として使うとあたる風が強すぎる場合があります。
強い風を体に直接受け続けると体温が低下しやすくなり、健康を害するおそれがあるので注意が必要です。特に、就寝時は体温が低下しやすいので、サーキュレーターは使用しないことをおすすめします。
サーキュレーターを扇風機の代替として使う場合は、風が体に直接あたらないように、角度や置き場所を工夫しましょう。また、長時間、風にあたり続けることのないよう、使用時間を決めておくといった工夫をすることが大切です。
扇風機をサーキュレーターとして使う場合の注意点
反対に、扇風機をサーキュレーターの代替として活用することはできるのでしょうか。結論からいうと、扇風機から送り出される風は広がって届くため、サーキュレーターとして使用するにはあまり効率的とはいえません。扇風機を同じ方向で固定していると十分に空気が循環しない可能性があるため、首振り機能を使ってより広範囲に風を送るようにしましょう。
また、扇風機はサーキュレーターほど可動範囲が広くありません。扇風機は真上に向けて風を送ることができないため、風が体に直接あたらないように角度を工夫する必要があります。空気を循環させることが目的であれば、人のいない方向に向けて首振り機能を使うのが効果的です。
サーキュレーターのモーターには2種類がある
サーキュレーターと一口にいっても、実は使われているモーターには2種類があります。サーキュレーターのモーターごとのメリット・デメリットは、下記のとおりです。
種類 | 電源 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
DC モーター |
直流 | ・低電力で動作する ・小型化しやすい |
・経年劣化しやすい |
AC モーター |
交流 | ・耐久性がある | ・消費電力が大きい ・一定の回転速度しか得られない |
DCモーターは低電力で動作するため、消費電力を抑えられます。ACモーターはブラシという部品が使われていないため、経年劣化しにくく耐久性に優れているのが特徴です。
サーキュレーターの電気代をモーターの種類別に算出
サーキュレーターを使用すると、どのくらいの電気代がかかるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
ここでは、サーキュレーターにかかる一般的な電気代を、モーターの種類別に算出してみました。扇風機の電気代との比較についても、併せて見ていきましょう。
基本的なサーキュレーターの電気代算出方法
電化製品が消費する電力のことを「消費電力」といいます。単位は「W(ワット)」です。Wよりも大きいkW(キロワット)という単位が使われることもあります(1kW=1000W)。
家電の電気代を算出するには「消費電力量」も必要です。消費電力量とは、電化製品を動かすのに必要な電力量のこと。消費電力量の単位は、電力量であるWと、1時間の単位の「h」が組み合わさった「Wh(ワットアワー)」、または1000Whのことを指す「kWh(キロワットアワー)」と表されます。
例えば、消費電力が100Wの電化製品を3時間動かすのに必要な消費電力量は、0.3kWhとなります。
一般的なサーキュレーターの消費電力は20〜30Wです。1kW=1000Wですので、まず1,000で割って単位をkWにします。1kWhあたりの平均電気代単価(※)は27円なので、27円で計算します。
※公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が提示している電力料金の目安単価。
- <電気代の計算方法>
- 消費電力(kW)×料金単価(円/kWh)=電気代(1時間あたり)
この計算式を使って、DCモーターとACモーターのサーキュレーターにかかる電気代を計算してみましょう。
DCモーターとACモーター、それぞれの電気代
DCモーターを使用したサーキュレーターの例として、消費電力25Wのケースを考えていきます。
1kWhあたりの平均電気代単価は、上記と同様に27円とします。
- <DCモーターのサーキュレーターの1時間あたりの電気代目安>
- 25W÷1,000×27円/kWh=0.675円
上記の計算で1時間あたり約0.7円の電気代がかかることがわかります。1日8時間使用すると約5.4円、1ヵ月30日換算で約162円の電気代です。
次に、ACモーターを使用したサーキュレーターの例を見ていきます。消費電力36Wのケースで考えてみましょう。 - <ACモーターのサーキュレーターの1時間あたりの電気代目安>
- 36W÷1,000×27円/kWh=0.972円
上記の計算で1時間あたり約1.0円の電気代がかかることがわかります。1日8時間使用すると約7.8円、1ヵ月30日換算で約233円の電気代です。
ACモーターとDCモーターを比較すると、消費電力の違いが電気代の差となって表れています。仮に1年間(365日)、両方のサーキュレーターを使い続けたとすると、DCモーターはACモーターと比べて電気代が867円お得になります。
扇風機の電気代との違い
扇風機の電気代は、風量によって変動します。ここでは、一般的な扇風機の風量を「強」で使用した場合の消費電力を、35Wとします。すると、1時間あたりの電気代は次のように計算できます。
35W÷1,000×27円/kWh=0.945円
扇風機の「強」は1時間あたり約0.9円の電気代です。サーキュレーターと同じように計算すると、1日8時間で約7.6円、1ヵ月30日換算で約227円の電気代がかかります。
つまり、扇風機の電気代は「DCモーターのサーキュレーターよりも高く、ACモーターのサーキュレーターとほぼ同じ」といえます。
サーキュレーター活用による電気代の節約方法
サーキュレーターを活用して電気代を節約するには、いくつかのコツがあります。効果的にサーキュレーターを活用するためにも、下記に挙げる3つのポイントを押さえておきましょう。
DCモーターの製品を選ぶ
サーキュレーターに使われているモーターには、DCモーターとACモーターの2種類があるのは前述のとおりです。両者は消費電力が異なるため、電気代を節約するならDCモーターの製品を選ぶことをおすすめします。
DCモーターはブラシという部品が可動部と常に接触しているため、耐久性の面ではACモーターよりも劣るといえます。しかし、サーキュレーターの耐用年数を考慮すれば、大きな問題ではないでしょう。
サーキュレーター購入時には、モーターが「DC方式」と表示されていることを確認してみてください。
エアコンを上手に併用する
エアコンの風は、室内にまんべんなく行き渡るとは限りません。そこで役立つのがサーキュレーターです。サーキュレーターで空気を循環させると、冷暖房の効率は高まります。
冷房使用時はエアコンの真下にサーキュレーターを置き、床と平行になるように角度を調整しましょう。冷たい空気は床に溜まりやすいため、溜まった空気をサーキュレーターによって循環させます。
暖房使用時はエアコンの真下にサーキュレーターを置き、真上に向くように角度を調整してください。暖かい空気は天井に溜まりやすいため、上部に溜まった空気をサーキュレーターが撹拌してくれるのです。
タイマー機能を使う
サーキュレーターの風は強力なので、室内の空気がある程度循環したらオフにしても構いません。外出時や就寝時にスイッチを切り忘れると電気代が余計にかかってしまうので、こまめに電源を切りしましょう。
スイッチの切り忘れを防ぐには、サーキュレーターのタイマー機能を活用するのがおすすめです。エアコンの冷暖房運転を開始した直後に、タイマーを30分〜1時間程度にセットしておくと、効率良く室温を調整できます。サーキュレーターは、エアコンがきくまでのあいだだけ活用することで、効果的な節電につながるはずです。
サーキュレーターのさまざまな活用法
サーキュレーターにはエアコンと併用する以外にも、さまざまな活用法があります。一方向に強い風を送ることができる特性を利用して、下記に挙げるような使い方もぜひ試してみてください。
浴室の乾燥に活用
サーキュレーターは、浴室の乾燥に活用するのも効果的です。浴室は湿度が高いため、放置しておくだけではなかなかすっきりと乾きません。換気扇を回したり窓を開けたりしても、それだけでは浴室内の空気は十分に循環しきれないのです。
そこで、サーキュレーターを浴室ドアのすぐそばに設置し、浴室内に向けて風を送りこんでみましょう。浴室外の乾燥した空気が浴室に流れ込みやすくなり、効率良く乾燥が進みます。特に、梅雨の時期など湿度が高い季節には、カビの発生を抑える効果も期待できます。
衣類の乾燥に活用
雨の日など衣類を屋外に干せないときは、サーキュレーターを使って衣類の乾燥を早めることができます。サーキュレーターで衣類を乾燥させる方法は、干してある衣類にサーキュレーターで直接風をあてる方法と、部屋の換気を促す方法の2つがあります。
直接、風をあてる場合は、衣類の真下または斜め下から衣類に向けて風を送りましょう。 部屋の換気を促す場合は設置場所を変えます。窓を開けておける季節であれば、窓の近くにサーキュレーターを置いて室内に外気を取り入れてください。室内の湿度が下がることで、衣類の乾燥を早めることが可能です。
何も対処をしないまま衣類を部屋干しすると、衣類の周囲の湿度は高くなります。洗濯物がなかなか乾かず、部屋干しの嫌なにおいがついてしまうことも少なくありません。衣類を部屋干しする際は、サーキュレーターを上手に活用することをおすすめします。
サーキュレーターについての疑問をQ&Aで解消!
サーキュレーターの使い方について、よくある質問をQ&A形式でまとめました。疑問を解消して、サーキュレーターを快適に活用してください。
- Q. サーキュレーターの効果的な使い方は?
- サーキュレーターは、加湿器と組み合わせて使用するのも効果的です。冬場に室内が乾燥しがちなとき、加湿器を使う家庭もあるでしょう。しかし、加湿器のそばにある壁や窓が結露してしまうこともあるはずです。
そんなときは、サーキュレーターによって室内の空気を循環させてください。加湿器から出される蒸気を室内に行き渡らせることができます。 - Q. サーキュレーターと扇風機はどちらがおすすめ?
- 直接風にあたるなら扇風機、エアコンと併用するならサーキュレーターがおすすめです。涼をとるなら扇風機が適していますが、吹き出される風が広がってしまうため、部屋の空気を循環させるには効率的とはいえません。エアコンの風を室内に行き渡らせるには、一方向に強い風を送れるサーキュレーターが適しています。
なお、サーキュレーターは、冬場も暖房効率を高めるために使用するのがおすすめです。 - Q. 就寝時にサーキュレーターを使用してもいい?
- サーキュレーターの風は強力なので、就寝時の使用はおすすめしません。体に強い風があたり続けると、体温が低下して体調を崩す原因にもなりかねないからです。
夏場の夜間など寝苦しいときには、サーキュレーターではなく扇風機を活用してください。風量は「弱」や「微風」に設定し、体に強い風があたるのを避けるようにしましょう。
【まとめ】電気代を安くするにはサーキュレーターを上手に活用するのがおすすめ
サーキュレーターは室内の空気を循環させ、エアコンの風を効率良く部屋に行き渡らせてくれます。サーキュレーターを上手に活用すると冷暖房の効率が高まり、電気代を節約することができるのです。
なお、電気代を安くするには、契約する電力小売業者を見直すのもひとつの方法です。HTBエナジーでんきでは、今まで使ってきた電気の品質や安全性はそのままに、電気代がお得になるプランを用意しています。いくら節電を試みても、電気代の元々の価格が高ければ、その努力も報われません。電気代をより効率的に節約したい方は、ぜひHTBエナジーでんきをご検討ください。
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