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オイルヒーターの電気代は高すぎる?仕組みやデメリット、節電の方法

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オイルヒーターの電気代は高すぎる?仕組みやデメリット、節電の方法
近年、暖房器具として「オイルヒーター」が見直されつつあります。安全性が高く、小さな子供のいる家庭でも安心して利用できるオイルヒーターを選ぶ家庭は少なくないようです。一方で、「オイルヒーターは電気代がかかる」と聞いたことのある方もいるのではないでしょうか。ほかの暖房器具と比べてどのくらい電気代が高くなるのか、気になっている方も多いでしょう。

そこで今回は、オイルヒーターの仕組みや電気代を抑える方法のほか、オイルヒーターのメリット・デメリットについて解説します。

オイルヒーターの仕組み

オイルヒーターの仕組みは、部屋の暖め方にも大きく影響してきます。まずは、オイルヒーターはどのような仕組みの暖房器具なのかを確認しておきましょう。

電気の熱で油を加熱し、熱を発生させる

オイルヒーターの仕組み

オイルヒーターとは、電気で油(オイル)を温めて熱を発生させる暖房器具です。オイルヒーター内には難燃性の油が入っており、電気で温められたフィン(放熱板)の熱が油に伝わる仕組みになっています。
温められた油はオイルヒーター内に張りめぐらされたパイプを通じて循環し、パネルから熱を放出します。この熱が部屋の空気に伝わることで、室温が上がる仕組みになっているのです。

オイルヒーターの特徴

オイルヒーターの大きな特徴として、炎や温風を出さないことが挙げられます。やけどや火災の危険リスクがあるストーブと比べて、オイルヒーターは安全性の高い暖房器具といえるのです。
また、ファンヒーターやエアコンは、温風を送ることによって部屋の空気が乾燥しやすいという欠点があります。一方、オイルヒーターは温風を出しませんので、空気が乾燥しがちな冬でも、湿度を下げずに部屋を温めることが可能です。

オイルヒーターの電気代はどれくらい?

オイルヒーターを使用する際に気になるのが電気代です。オイルヒーターの電気代を計算するには、消費電力や消費電力量について理解しておく必要があります。平均的なオイルヒーターの消費電力をもとに、電気代を計算してみましょう。

オイルヒーターの電気代を知る上で必要な「消費電力」

オイルヒーターの電気代を知るには、まず運転時の消費電力を把握する必要があります。消費電力の単位は「W(ワット)」で、電化製品を動かすときにどのくらいの電気が使われるのかを表しています。
電化製品の消費電力は製品の背面や裏側に記載されていますので、購入する前に店頭で確認しておくといいでしょう。

電化製品を動かし続けるために必要な電気の量を表す「消費電力量」

消費電力量とは、電化製品を動かし続けるために必要な電気の量を表す数値です。単位は「kWh(キロワット時)」で、1,000W(1kW)の電化製品を1時間動かし続ける場合の消費電力量が1kWhとなります。電気代を計算する際に使用されるのは、1kWhあたりの電力量料金です。全国家庭電気製品公正取引協議会が「新電力料金目安単価」として示している価格は、1kWhあたり「27円(税込)」です。本記事でも1kWhあたり27円で電気代を計算します。

オイルヒーターの電気代

オイルヒーターの電気代を算出するには、下記の計算式を用います。

電気代(円)=消費電力(W)÷1,000×1日の使用時間(時間)×1kWhあたりの電力量料金(円/kWh)

オイルヒーターの多くは、温度設定を切り替えられる仕組みになっています。温度設定は3段階や5段階の製品が主体となっており、平均的な消費電力は600~1,500W前後です。例えば、温度設定が3段階の場合、弱600W・中900W・強1,500Wといった消費電力が想定されます。

ここでは、温度設定が3段階のオイルヒーターを例に、1時間および1日あたりの電気代をそれぞれ計算してみましょう(27円/kWhの場合)。なお、1日あたりの使用時間は、8時間とします。

<オイルヒーターの1時間あたりの電気代>
・600Wの場合
600W÷1,000×1時間×27円/kWh=16.2円
・900Wの場合
900W÷1,000×1時間×27円/kWh=24.3円
・1,500Wの場合
1,500W÷1,000×1時間×27円/kWh=40.5円
<オイルヒーターの1日あたりの電気代>
・600Wの場合
600W÷1,000×8時間×27円/kWh=129.6円
・900Wの場合
900W÷1,000×8時間×27円/kWh=194.4円
・1,500Wの場合
1,500W÷1,000×8時間×27円/kWh=324円

上記のとおり、消費電力600~1,500Wのオイルヒーターの1日あたりの電気代は129.6~324円であることがわかります。

オイルヒーターとほかの暖房器具の電気代を比較

オイルヒーターは電気代が高いと耳にしたことがある方も多いでしょう。では、ほかの暖房器具と比べてどれだけ電気代の差があるのでしょうか。冬場に使われる一般的な暖房器具の電気代を算出しました。

エアコンの電気代

7~10畳用エアコンの場合、消費電力の平均値は580Wです。ですから、1時間・1日あたりの電気代は、それぞれ下記のように算出できます。

<エアコンの1時間あたりの電気代>
580W÷1,000×1時間×27円/kWh=15.66円
<エアコンの1日あたりの電気代>
580W÷1,000×8時間×27円/kWh=125.28円

エアコンの暖房は、オイルヒーターを「弱」運転で使用した場合と比べて、やや電気代が安いことがわかります。オイルヒーターを「強」運転で使用した場合と比較すると、1時間あたり約39%の電気代となります。

電気ストーブの電気代

電気ストーブには、ヒーターが発熱するタイプと温風を送るファンヒータータイプがあります。ここでは、オイルヒーターのように部屋全体を暖める用途で使われることが多いファンヒーターの場合で計算してみましょう。
消費電力が640~1,170Wのファンヒーターの場合、1時間・1日あたりの電気代は下記のようになります。

<電気ストーブの1時間あたりの電気代>
・640Wの場合
640W÷1,000×1時間×27円/kWh=17.28円
・1,170Wの場合
1,170W÷1,000×1時間×27円/kWh=31.59円
<電気ストーブの1日あたりの電気代>
・640Wの場合
640W÷1,000×8時間×27円/kWh=138.24円
・1,170Wの場合
1,170W÷1,000×8時間×27円/kWh=252.72円

オイルヒーターの温度設定が「弱」の場合は、電気ストーブよりもオイルヒーターのほうが電気代は安く、「強」の場合はオイルヒーターのほうが高いことがわかります。

ホットカーペットの電気代

ホットカーペットは部屋全体を暖めるよりは、人のいる床面のみを暖めることに向いている暖房器具です。
ここではリビングで使用することを想定して、3畳用のホットカーペットを例に計算します。1時間あたりの消費電力が244Wである設定温度「中」の場合と、消費電力が424Wである設定温度「強」の場合の電気代を見ていきましょう。

<ホットカーペットの1時間あたりの電気代>
・244Wの場合
244W÷1,000×1時間×27円/kWh=6.58円
・424Wの場合
424W÷1,000×1時間×27円/kWh=11.44円
<ホットカーペットの1日あたりの電気代>
・244Wの場合
244W÷1,000×8時間×27円/kWh=52.70円
・424Wの場合
424W÷1,000×8時間×27円/kWh=91.58円

ホットカーペットの設定温度が「強」の場合と、オイルヒーターを「強」運転で使用した場合を比較すると、ホットカーペットの1時間あたりの電気代はオイルヒーターの約28%で済むことがわかります。

こたつの電気代

こたつは、冬場の暖房器具として古くから親しまれています。リビング用のこたつの場合、消費電力は300W程度の製品が一般的です。1時間・1日あたりの消費電力は、それぞれ下記のように算出できます。

<こたつの1時間あたりの電気代>
300W÷1,000×1時間×27円/kWh=8.1円
<こたつの1日あたりの電気代>
300W÷1,000×8時間×27円/kWh=64.8円

オイルヒーターを「弱」運転で使用した場合と比べて、こたつは1時間あたりの電気代が50%であることがわかります。

オイルヒーターのメリット

オイルヒーターの電気代は、多くの暖房器具よりも高い傾向があることがわかりました。しかし、複数のメーカーがオイルヒーターを生産・販売し続けていることからもわかるとおり、オイルヒーターは暖房器具として根強い人気があります。
多くの種類の暖房器具の中からオイルヒーターを選ぶ消費者がいるのは、電気代が高いというデメリットをカバーできるだけのメリットがあるのです。

オイルヒーターのメリット

部屋全体を均一に暖められる

オイルヒーターは、加熱した油の熱をパネルから放射し、部屋の空気を徐々に暖めていきます。遠赤外線の輻射熱が周囲の空気を暖めていくので、部屋全体を均一に暖められるのが特徴です。

ストーブやホットカーペットの場合、暖房器具の周囲を部分的に暖めることになります。つまり、室内に暖かい場所と寒いままの場所ができてしまうのです。
一方、オイルヒーターは部屋全体を均一に暖めるため、部屋にいる人全員が快適に過ごせる点がメリットといえます。

やけどのおそれが少なく安全性が高い

オイルヒーターの表面温度は、ヒーターやストーブほど高くなりません。やけどのおそれが少なく、安全性の高い暖房器具といえるのです。
特に小さい子供がいる家庭では、子供が誤って暖房器具にふれてしまい、やけどを負ってしまう可能性があります。「万が一、子供がふれても安全」という理由でオイルヒーターを選ぶ家庭も少なくありません。炎を使うこともないので、火災のリスクも低い暖房器具といえます。

温風を出さない

オイルヒーターは、エアコンやファンヒーターのように温風を出しません。温風を出す暖房器具は空気を乾燥させてしまいがちですが、オイルヒーターは部屋の湿度を下げることなく暖められる点が大きなメリットです。
また、温風を出さないため、室内のほこりが舞い上がる心配もありません。室内の空気を清潔に保てるのもオイルヒーターの特徴です。

メンテナンスの手間がかからない

オイルヒーターには、フィルターなど定期的に掃除をしなくてはならない部品がありません。メンテナンスは、外側に付着したほこりをサッと拭き取る程度で済むので、手間がかからない暖房器具といえるのです。
なお、オイルヒーター内に充填されているオイルは交換する必要がなく、ずっと使い続けることができます。メンテナンスの手間がかからないことは、長く使い続けていく上で大きなメリットといえるでしょう。

運転時は静音

オイルヒーターにはモーターなどの可動部分がないため、運転時は音を出しません。エアコンや温風機のような運転音が発生しないので、室内を静かに保つことができます。静かな環境で過ごしたい方にとって、静音で使用できることはメリットとなるはずです。

オイルヒーターのデメリット

オイルヒーターには、デメリットとなる面もいくつかあります。ほかの暖房器具には見られない特徴もあるため、オイルヒーターを購入する際には、デメリットについても十分に理解しておくことが大切です。

電気代が割高

オイルヒーターの最大の欠点は、前述のとおりほかの暖房器具よりも電気代が割高という点です。1時間あたりの電気代は1,500Wの場合40.5円、小型の300Wの機種でも8.1円かかります。冬場に長時間使用することを考えると、電気代がかさむことは想定しておく必要があるでしょう。

ほかの暖房器具と比べて本体価格が高い

オイルヒーターは本体価格が1万円以上の製品が多く、ほかの暖房器具と比べて高い傾向があります。長い目で見ればメンテナンス費用を抑えられるというメリットがありますが、初期費用がかかる点は理解しておく必要があるでしょう。

暖まるのがほかの暖房器具よりも遅い

オイルヒーターは部屋の空気を輻射熱で暖めていくため、部屋全体が暖まるまでに1時間程度はかかります。つまり、室内を短時間で暖めたい場合に適した暖房器具ではありません。
部屋を十分に暖めるまでに時間がかかるので、「電気代を節約するために短時間の運転にとどめる」といった使い方もしづらいでしょう。

オイルヒーター自体が大きいため場所を取る

オイルヒーターは内部のオイルを加熱する構造上、製品自体が大型になりやすく場所を取ります。エアコンのように壁面に設置することはできないので、置き場所を確保しなくてはなりません。
暖房器具を使用する部屋の広さや家具の配置によっては、場所を取ることがデメリットとなる可能性があります。

廃棄方法が面倒な場合がある

オイルヒーターの内部にはオイルが充填されているため、自治体によって廃棄の仕方が異なります。廃棄処分する際には、自治体が定める廃棄方法を確認するなどの手間がかかる可能性があります。

オイルヒーターの電気代を安くする方法とは?

オイルヒーターを使用する上でネックとなる電気代を抑えるには、いくつかの方法があります。室内をできるだけ効率よく暖めるために、下記の方法を押さえておきましょう。

窓際に置く

オイルヒーターは冷気が入り込みやすい場所に置いたほうが、室内を効率良く暖めることができます。窓際など屋外の冷気が入り込む場所に設置することで、室温が下がるのを防ぐからです。
反対に、部屋の中央付近などにオイルヒーターを設置すると、冷気が入りやすい窓際付近が冷えたままとなり、部屋全体が暖まりにくいので注意しましょう。

設定温度を低くする

オイルヒーターは部屋全体を均一に暖めるため、設定温度をそれほど高くしなくても暖房効果を実感できます。設定温度を低くすれば消費電力が抑えられ、電気代の節約にもつながります。
なお、エアコンのように設定温度を高くすれば、短時間で暖まるとは限らない点には注意しましょう。

タイマーを上手に利用する

オイルヒーターの輻射熱は、電源を切ってからもしばらくのあいだは持続します。使い終わる1~2時間前に電源が切れるようにタイマーをセットしておくと、電気代を節約できるのです。
例えば、外出予定時刻の1~2時間前に電源オフのタイマーをセットしておけば、暖かい状態はキープしたまま電気代を抑えて使用できます。オイルヒーターのタイマー機能を上手に利用して、電気代を節約しましょう。

部屋の機密性を高くする

オイルヒーターで暖められた空気は、室内にとどまっているほど暖房効果が長く持続します。部屋の機密性を高くすればオイルヒーターの暖房効果が高まり、結果として電気代も節約できるでしょう。
例えば、断熱シートや断熱カーテンを窓に取りつけると、部屋の機密性をより高めることができます。冷気をできるだけシャットアウトし、室内の暖かい空気が逃げないようにすることで電気代の節約効果が期待できるのです。

エコモード・省エネモードを使う

エコモードや省エネモードといった節電機能を備えたオイルヒーターも増えています。それらの製品は、室温に合わせて消費電力を自動的に調整してくれるので、暖房効果と節電効果を両立できるのです。長時間オイルヒーターを使用する場合は、エコモードや省エネモードを活用しましょう。

ただし、エコモード・省エネモードを使用すると、通常の運転モードと比べて部屋が暖まるまでに時間がかかることもあります。部屋がある程度暖まるまでは通常モードで使用し、暖まってきたらエコモード・省エネモードに切り替えるといった使い分けをするのがおすすめです。

オイルヒーターの電気代についての疑問をQ&Aで解消!

オイルヒーターの電気代についての疑問をQ&Aで解消!

オイルヒーターの電気代について、多くの人が気になっていると思われるトピックをQ&Aでまとめました。オイルヒーターの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

Q. オイルヒーターのエコ機能は進化しているの?
オイルヒーターのエコ機能は、年々進化しています。室温に応じて消費電力を自動調整するエコモードをはじめ、スマートフォンアプリから運転モードやスケジュール管理を行えるWi-Fi搭載モデルなども登場しています。
こうしたエコ機能を上手に活用することで、電気代が割高というオイルヒーターのデメリットを補うことも可能です。
Q. 最近、オイルヒーターが見直されている理由は?
オイルヒーターは古くからある暖房器具ですが、最近になって見直されている理由として2点挙げられます。
1つは、本体価格が下がったことに加え、電気代を節約できるエコ機能が充実してきたことです。本体価格が高いことや、電気代が割高であることがオイルヒーターのデメリットでしたが、費用面のネックが徐々に解消されつつあるのです。
もう1つの理由は、住宅の気密性や断熱性が高まってきたことにあります。住宅用建材や断熱材が進化したことにより、最近の住宅は冬場でも冷気が入り込むことが少なくなりました。一度暖められた空気が室内に長くとどまることから、部屋全体を均一に暖めるオイルヒーターのメリットが活かしやすくなったのです。
Q. 電気代が気になるときは、電力会社を変えたほうがいい?
契約する電力会社を見直すことで、電気代の節約につながる可能性があります。2016年4月に電力の小売が自由化されて以来、多種多様な業種の企業が電力小売に参入しているからです。消費者は、ライフスタイルに合わせて契約する電力会社や料金プランを選べるようになっています。
例えば、日中はほとんど自宅にいない人の場合、夜間の電気代がお得になるプランを選ぶことで電気代を節約できます。オイルヒーターを使用するのが主に夜間であれば、電気代を効果的に節約できるでしょう。月々の電気代を根本的に見直すのであれば、契約する電力会社を切り替えることをおすすめします。

電気代で損をする前に、電力会社の切り替えを検討しよう

オイルヒーターはほかの暖房器具と比べて、電気代が割高になる傾向があります。しかし、最近ではエコ機能を搭載したオイルヒーターも増えており、従来よりも電気代が節約できる可能性もあるのです。

オイルヒーターは買い換えることで電気代の節約につなげることもできますが、より手軽に電気代を節約するなら、電力会社の切り替えを検討することをおすすめします。電力会社の料金プランを見直すことで、現状よりも電気代そのものを抑えることができるのです。
例えば、HTBエナジーでんきのように、電力会社の切り替えはWEBから簡単に手続きができますので、切り替えを検討しないのは非常にもったいないといえます。電気代で損をする前に、ぜひ電力会社の切り替えをご検討ください。

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