電気代が安い時間は何時から?深夜の電気代の注意点や節約方法解説
今回は、時間帯によって電気代が安くなる「時間帯別電灯プラン」について、その特徴や注意点をわかりやすく解説。時間帯別電灯プランの利用が向いている人のライフスタイルや、電気代の節約方法も紹介します。
目次
時間帯別電灯プランで電気代が安い時間帯は?
電気代が安い時間には一定のパターンがあります。電気代が時間帯によって変動するのは、「時間帯別電灯プラン」と呼ばれる料金プランです。
時間帯別電灯プランでは、主に夜間の時間帯に電気料金単価が下がります。電力会社やプランによって異なりますが、概ね21時前後~翌8時前後に電気代が安くなると捉えていいでしょう。大手電力会社の時間帯別電灯プランにおける、電気代が安い時間帯は下記のとおりです。
電力会社 | プラン名称 | 電気料金単価が 安い時間帯 |
対象時間帯の 電力量単価 |
---|---|---|---|
北海道電力 | ドリーム8(*) | 23時~翌7時 | 25.83円 |
東北電力 | よりそう+ナイト8(*) | 23時~翌7時 | 27.64円 |
東京電力 | おトクなナイト8(*) | 23時~翌7時 | 28.85円 |
東京電力 | おトクなナイト10(*) | 22時~翌8時 | 28.99円 |
中部電力 | タイムプラン(*) | 23時~翌7時 | 16.22円 |
北陸電力 | エルフナイト8(*) | 23時~翌7時 | 24.68円 |
関西電力 | 時間帯別電灯(*) | 23時~翌7時 | 15.37円 |
関西電力 | eスマート10 | 22時~翌8時 | 15.53円 |
中国電力 | ナイトホリデーコース | 21時~翌9時 | 34.65円 |
四国電力 | 時間帯別eプラン | 23時~翌7時 | 25.79円 |
九州電力 | 時間帯別電灯(*) | 22時~翌8時 | 13.27円 |
沖縄電力 | 時間帯別電灯 | 23時~翌7時 | 29.53円 |
※各電力会社WEBサイトより、2024年3月時点の掲載情報を参照
※2024年4月以降の料金が判明しているものは4月以降のものを掲載
※「*」印は、2024年3月時点で新規申込みの受付を停止しているプラン
時間帯別電灯プランと一般プランの料金差
時間帯別電灯プランで夜間に電気を使用した場合、時間帯に応じて電気代が変化しない一般のプランと比べてどの程度お得になるのでしょうか。東京電力エナジーパートナーのプランを例に確認してみます。
プラン名称 | 対象となる時間帯(電力使用量) | 電力量単価 |
---|---|---|
おトクなナイト8 | 23時~翌7時 | 28.85円 |
おトクなナイト10 | 22時~翌8時 | 28.99円 |
従量電灯B | 24時間(120kWhまで) | 29.80円 |
従量電灯B | 24時間(120kWh超300kWhまで) | 36.40円 |
従量電灯B | 24時間(300kWh超) | 40.49円 |
※いずれも2024年4月1日以降の料金
上表のとおり、時間帯別電灯プラン(おトクなナイト8)の夜間電力料金は、従量電灯B(120kWh超300kWhまで)のおよそ8割程度の電力量単価となっています。
このように、時間帯別電灯プランに加入していれば「時間帯によって電気代が安くなる」ことがありうることがわかります。
電気代はなぜ夜間だと安くなるのか
時間帯別電灯プランにおいて夜間の電気代が安くなるのは、電気代が需要と供給の関係で決まるからです。夜間は日中と比べて、電気を使う人が少なくなります。そのため、電力需要が低い夜間の電気代を安くすることにより、電力会社は電力需要を平準化しようとしているのです。
電気事業連合会が公開している資料では、最大電力発生日における1日の電気の使われ方が公開されています。
この資料によれば使用電力量は20時頃から下がっていき、深夜~翌6時頃にかけてほぼ横ばい状態です。電力需要が下がる時間帯と、時間帯別電灯プランが電力量単価を安く設定している時間帯はほぼ一致していることがわかります。
※出典:電気事業連合会「日本の電力消費」
時間別電灯プランの注意点
時間帯別電灯プランに関しては、いくつか押さえておきたいポイントがあります。時間帯別電灯プランを利用する際には、下記の3点に注意しましょう。
専用プランに加入していないと夜間の電気代は安くならない
夜間の電気代が安くなるのは、時間帯別に該当する専用プランのみです。前述のとおり、電力会社によってプランの名称が異なる点には注意してください。
通常の「従量電灯B」などに加入している場合、電力料単価は24時間変動しません。夜間の電気代を抑えたい場合には、時間帯別電灯プランに相当する専用プランに切り替える必要があります。
昼間の電気代には注意
時間帯別電灯プランでは、夜間の電気代が安くなる反面、日中の電気代が高くなることが多い点には注意してください。日中に多くの電気を使用する場合、かえって電気代が高くなってしまう可能性もあります。
プラン名 | 昼間の電力料金単価(1kWhあたり) |
---|---|
おトクなナイト8 | ・90kWhまで:31.80円 ・90kWh超230kWhまで:39.10円 ・230kWh超:43.62円 |
おトクなナイト10 | ・80kWhまで:33.78円 ・80kWh超200kWhまで:41.76円 ・200kWh超:46.71円 |
従量電灯B | ・120kWhまで:29.80円 ・120kWh超300kWhまで:36.40円 ・300kWh超:40.49円 |
※いずれも2024年4月1日以降の料金
上表のとおり、昼間の電力量料金は通常の「従量電灯B」のほうが安く設定されています。時間帯別電灯プランは電気代が「安くなる」プランではなく、「高い時間帯と安い時間帯がある」プランと捉えましょう。
自分のライフスタイルにマッチしないプランは避ける
時間帯別電灯プランは、誰にでもマッチするとは限りません。自分のライフスタイルに合うかどうか、慎重に判断する必要があります。
例えば、在宅勤務などで日中に多くの電気を使う方の場合、時間帯別電灯プランにすることでむしろ電気代が高くなる可能性もあります。日頃の電気の使い方を振り返り、電気を多く使用する時間帯を把握しておくことが大切です。
夜間の電気代が割安になるプランは、しばしば「電気代が安くなる」プランとして紹介されています。そのため、どのような条件で電気を使用しても電気代を抑えられるかのように誤解されがちです。電気代が安くなるという一面だけに着目することのないよう注意してください。
時間帯以外の条件で電気代が安くなるプラン
所定の条件にもとづいて電力量単価が変動するプランは、時間帯別電灯プランだけではありません。続いては、時間帯以外の条件で電気代が安くなるプランの例をご紹介します。
休日の電気代が安くなるプラン
電力会社によっては土日祝をオフピークとすることにより、電力量単価を引き下げているケースが見られます。土日祝に仕事が休みになる人など、在宅時間が増えることが想定される方にとっては電気代を無理なく抑えやすいプランといえるでしょう。
冬季の電気代が安くなるプラン
電気の使用量が多くなる冬季にオフピークの時間帯を設けている電力会社もあります。冬季に暖房器具や電気温水器などを使用する頻度が高くなるようなら、季節ごとに電力量単価が変動するプランに切り替えるのもひとつの方法です。
特にオール電化住宅の場合、エコキュートなどのヒートポンプ機器が夜間を中心に稼働するケースが大半です。冬季の電気代が高くなりやすいことから、こうしたプランに加入すると電気代の節約につながる可能性があります。
時間帯別電灯プラン向きのライフスタイル
時間帯別電灯プランは、どのようなライフスタイルの方に適しているのでしょうか。下記に挙げる条件にあてはまるようなら、時間帯別電灯プランのほうが通常のプランよりも電気代の節約につながると考えられます。
オール電化住宅や蓄電池を導入している世帯
オール電化住宅にお住まいの方や、蓄電池を導入している世帯は、時間帯別電灯プランが適しています。オール電化住宅では夜間にヒートポンプ機器で沸かしたお湯を翌日の日中に使用するため、夜間の電力量単価が割安なプランを利用したほうが電気代を抑えられるからです。
また、蓄電池の場合は太陽光発電によって蓄えた電力を日中に使用できるため、日中の電力量単価が割高であっても電気代への影響は小さいと考えられます。夜間の電力量単価がお得になる時間帯別電灯プランのメリットを活かせる可能性が高いでしょう。
昼間は自宅に人がいない世帯
昼間は自宅を不在にする日が多い世帯では、昼間の電力量単価が割高であってもデメリットにはなりにくいと想定されます。反対に、電気を多く使う夜間の電気代を抑えることで、月々の電気代は無理なく節約できるでしょう。
例えば一人暮らしの社会人の方や共働きの世帯などでは、昼間は自宅に人がいない日が多いケースもあります。平均的な帰宅時間や主に電気を使用する時間帯を踏まえて、時間帯別電灯プランが適しているかどうかを判断するのがおすすめです。
電気代が安い時間帯でのさらなる節約方法
電気代が安い時間帯であっても、多くの電気を使っていれば電気代がかさむこともありえます。電気代をさらに節約するためのポイントを押さえておきましょう。
電気使用量を減らす
電気代を抑える上で真っ先に行いたい対策は、電気使用量をできるだけ減らすことです。電気代は大きく分けて「基本料金+従量料金」で構成されています。従量料金は使用した電力量にもとづいて算出されるため、電気の使用量を抑えることは、そのまま電気代の節約につながるのです。
例えば、LED照明や人感センサー、節電タップといった節電グッズを取り入れたり、使用していない部屋の照明をこまめに消したりすることで、電気の使用量は抑えられます。
あるいは、エアコンや冷蔵庫の設定温度を変更する、テレビなどの明るさ調整などを見直すといった対策を行い、無理のない範囲で電気使用量を減らしていきましょう。
洗濯機や食洗機を夜間に使用する
洗濯機や食洗機は、夜間にまとめて使用することで昼間の電気使用量を抑えられます。いずれも「乾燥」モードで運転する際に多くの電力を消費する傾向があるため、日中に乾燥モードを使用するのはできるだけ避けたほうがいいでしょう。
例えば、朝食で使用した食器は食洗機に並べておき、夕食時に使用した食器とともに洗浄するといった方法が考えられます。
バッテリー類は夜間に充電する
スマートフォンやノートパソコン、モバイルバッテリーなどは、夜間に充電しましょう。昼間の時間帯はバッテリーで稼働させ、夜間に充電することで電気代が高い時間帯の電力消費量を抑えられます。
ワイヤレス充電を利用している方は、昼間の時間帯にもスマートフォンなどを充電器に載せてしまいがちです。昼間と夜間では置き場所を変えるなど、電気を使う時間帯を意識して対策を講じてください。
電化製品のタイマーを活用する
電化製品のタイマー機能を上手に活用することも、電気代の節約につながります。夜間の時間帯に炊飯器が稼働するように設定したり、就寝後と起床前のみエアコンが稼働するよう設定したりすることで、日中に使用する電力量を抑えましょう。
タイマー機能が搭載されていない電化製品の場合は、コンセントタイマーを活用すると便利です。電化製品のスイッチの消し忘れを防止する意味でも、タイマー機能はうまく活用していくことをおすすめします。
電力会社を変更する
無理なく電気代を節約する方法としては、契約する電力会社を変更するのもおすすめです。
2016年4月に電力の小売が自由化されて以降、消費者は契約する電力会社を原則自由に選べるようになりました。大手電力会社だけでなく、新電力事業者との契約も可能です。現在加入中のプランよりも基本料金や従量料金が割安なプランが見つかれば、電気の使い方を大きく変えなくても電気代を抑えられます。
なお、契約する電力会社を変更しても、供給される電気の質や安全性はこれまでと変わりません。契約を切り替えるのはあくまでも小売部門で、送配電部門や発電部門は引き続き大手電力会社が担うからです。
災害時などに大規模な停電が発生した際にも、電気が復旧する速さは従来どおりです。電力会社を変更して、よりお得なプランを利用してみてはいかがでしょうか。
電気料金プランを変更する
現在契約中の電力会社において、別のプランへ切り替える方法もあります。例えば、夜間の電気代がお得になるプランはもちろん、電気とガスをセットで申し込むと割引サービスを受けられるプランなどに切り替えることで、電気代を抑えられる場合があるからです。
現在契約しているプランの内容を確認した上で、ほかにどのようなプランがあるのか調べてみることをおすすめします。
電気代が安い時間にまつわる疑問をQ&Aで解消!
電気代が安い時間に関して、よくある質問をQ&Aにまとめました。プラン選びや電気代の節約の際に、疑問点や不明点を解消する上で役立ててください。
Q. 夜間の電気代が安くなるのは、どの料金プランですか?
夜間の電気代が安くなるのは「時間帯別電灯プラン」です。時間帯別電灯プランでは、夜間の電力量単価が割安に設定される一方、昼間の電力量単価は割高に設定されています。夜間を中心に電気を使う世帯の場合、時間帯別電灯プランの多くは電気代を抑えられる可能性のあるプランです。
なお、一般的な「従量電灯B」などのプランでは、どの時間帯に電気を使用しても電力量単価は一定のため、夜間に電気代が安くなることはありません。夜間の電気代を抑えるには、専用のプランに申し込む必要があります。
Q. なぜ夜間の電気代が安くなるプランがあるのですか?
電力量単価は、需要と供給のバランスによって決まります。夜間は電力需要が低くなることから、電力の仕入価格を安くできるのです。電力会社は夜間の電気代を安く設定することにより、電力の需給バランスを平準化できる可能性があります。
実際、電気の使用量は20時頃から下がっていき、深夜~翌6時頃にかけて使用量が少ない状態が続くのが一般的な傾向です。時間帯別電灯プランは、この時間帯に合わせて電力量料金を安くしていると考えられます。
Q. 夜間の電気代が安くなるプランに切り替えると、必ず電気代が安くなりますか?
夜間の電気代が安くなるプランに切り替えたとしても、必ず電気代が安くなるとは限りません。夜間の電気代が安くなる分、昼間の電気代は割高に設定されているケースが少なくないからです。そのため、電気代が安くなりやすい世帯は昼間の電気使用量が少なく、夜間を中心に電気を使用する世帯といえます。時間帯別電灯プランは「電気代が安くなる」プランとして取り上げられているケースも多いことから、誤解しやすいポイントのため注意してください。
【まとめ】電気代の節約に迷っている方は、早期にHTBエナジーへの切り替えのご検討も
時間帯別電灯プランは、夜間の電力量単価を割安に設定する代わりに、昼間の電力量単価が割高に設定されているプランです。電気を多く利用するのが主に夜間の世帯にとって、電気代を効果的に節約できる可能性のあるプランといえるでしょう。
電気代をどのように節約すべきか迷っている方は、ぜひHTBエナジーへの切り替えをご検討ください。HTBエナジーでは、電気代が毎日2時間無料になるプランや、電気とガスをセットで申し込むと割引が適用されるプランなど、ライフスタイルに合わせて選べるプランをご用意しています。現在よりも電気代がお得なプランに加入すれば、無理なく電気代を節約できるはずです。
より効果的に電気代を節約したい方は、HTBエナジーへの契約切り替えを検討されてはいかがでしょうか。
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