電気の契約アンペアとは?電気代の目安や計算法、節約ポイントを解説
本記事では電気代を算出する上で不可欠なアンペアや、ボルト・ワットといった単位について解説します。加えて、世帯人数別アンペアの目安やアンペア数別電気代のほか、最適な契約アンペアの計算方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもアンペアとは?ボルト・ワットとの違い
電気代に関する話題に際してアンペア、ボルト、ワットといった単位が出てきます。しかし、それらの単位の違いに対しては意外と曖昧に理解している方が多いのではないでしょうか。アンペアは「電流」、ボルトは「電圧」、ワットは「消費電力」を示します。
アンペア
アンペア(A)とは、電気の流れ(電流)を示す単位です。電流のイメージとしては、パイプの中を流れる水を電気に置き換えて想像してみてください。その電気が1秒間に流れる量を数値化したものがアンペア(A)という単位です。
例えば、「30A」の場合は「1秒間に30アンペアの量の電流を流すことができる」という意味になります。
ボルト
ボルト(V)は電気を流すための圧力、つまり「電圧」を指す単位です。同じく水のイメージに置き換えると、パイプの中を電気が通る際に押される力が電圧に相当します。ボルト(V)は電流を送り込むための出力なのです。
同じ量の水が流れていても、パイプが細くなれば水の勢いは強まり、反対にパイプが太ければ水の勢いは弱まる様子を想像してください。同様に、圧力が強いほどボルト数が大きくなり、弱いほどボルト数は小さくなります。
ワット
ワット(W)は、消費電力を表す単位です。消費電力とは、電化製品などを動かすために必要なパワーと捉えてください。ワットの値はアンペア(A:電流)とボルト(V:電圧)から算出します。
計算式は「ワット(W)=アンペア(A)×ボルト(V)」です。家庭用コンセントは100Vのため、電化製品などに記載されている消費電力がわかればアンペアを計算することができます。
世帯人数別で必要なアンペア数の目安とは?
世帯で使用できるアンペア数は、電力の使用量によって自在に変えられるものではありません。電気会社との契約によって、使用できるアンペア数の上限が決められているからです。アンペア数をいくつで契約するかは各家庭の自由ですが、電力を多く使用する家庭では大きい数値に、あまり電気を消費しない家庭は小さい数値にすることをおすすめします。世帯人数ごとの目安となるアンペア数を下表にまとめました。
1人暮らし | 20~30A |
---|---|
2人暮らし | 30A |
3人家族 | 40A |
4人家族 | 50A |
5人以上の家族や オール電化住宅 |
60A |
契約アンペアを決める際には、世帯人数別が1つの目安となるでしょう。さらに住居の形態や広さ、電化製品の使用状況なども考慮に入れると、より自宅に適したアンペア数を導き出すことができます。
アンペア数別の料金の違いとアンペア確認方法
電力会社と契約するアンペア数によって電流量の上限は変わるため、電気代も当然ながら変化します。電気代の高さが気になる家庭は、もしかしたらアンペア数の変更でもう少し安く抑えられるかもしれません。まずはご自宅の契約アンペアを確認してみましょう。
アンペア数別電気代(基本料金)
アンペア数ごとにかかる電気代の目安として、東京電力エナジーパートナーのアンペア別基本料金を例に挙げます。下記のように、アンペア数が増えるほど基本料金が上がり、その分電気代も高くなります。
なお、少ないアンペア数で大量の家電を使うとブレーカーが落ちるリスクが高まるので、世帯人数別アンペア数の目安も踏まえて適切な契約アンペア数を選ぶようにしましょう。
アンペア数 | 東京電力エナジーパートナー 従量電灯B(※) |
---|---|
30A | 885.72円 |
40A | 1,180.96円 |
50A | 1,476.20円 |
60A | 1,771.44円 |
※出典:「東京電力エナジーパートナー「従量電灯B・C」の場合
なお、HTBエナジーでは、基本料金が一律の「ベーシックプラン」をご用意しています。
東京エリアの場合、契約アンペア数によらず基本料金は一律550円です。
アンペア数を確認する方法
アンペア数は、電気の検針票(電気ご使用量のお知らせ)に記載されています。「ご契約」などの欄に見られる「30A」などの表記が、現在契約中のアンペア数です。
地域によっては分電盤にあるブレーカーの色や数字でアンペア数は確認できます。色分けについては下記のとおりです。アンペア数の見直しが必要になった際には、ぜひ確かめてみてください。
10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
北海道電力 | 黒 | 黄 | 青 | 赤 | 灰 | 茶 | 紫 |
東北電力 (単相2線) |
色なし | 色なし | 茶 | 緑 | 色なし | 色なし | 色なし |
東北電力 (単相3線) |
色なし | 色なし | 色なし | 青 | 赤 | 紫 | 緑 |
東京電力 | 赤 | 桃 | 黄 | 緑 | 灰 | 茶 | 紫 |
中部電力 | 赤 | 茶 | 黄 | 緑 | 青 | 紫緑 | 灰青 |
九州電力 | 灰 | 赤 | 黄 | 緑 | 茶 | 青 | 白 |
契約アンペアの変更方法
契約アンペアを変更する場合は、契約中の電力会社に連絡して希望のアンペア数を伝えましょう。契約アンペア数を変更すると、対応するブレーカーへの交換工事が必要になります。ブレーカーの工事は基本的に無料です。ただし、大容量のアンペア数に変更する場合は配線工事などが発生し、工事内容によっては有料となる場合もあります。
なお、スマートメーターが設置されている世帯では、契約アンペアの変更は遠隔操作で完了するため工事は不要です。申込み時に告知された日時に契約アンペアが切り替わり、以降は新たな契約アンペア数での利用が可能となります。
自宅に最適な契約アンペアの計算方法
現在の住まいに最適な契約アンペアは、どのようにして算出すれば良いのでしょうか。ここでは、自宅に最適な契約アンペアの計算方法をご紹介します。
使用している電化製品の消費電力をチェック
まずは、自宅にある電化製品の消費電力をチェックしましょう。消費電力は、電化製品の本体に記載されているほか、取扱説明書やメーカーWEBサイトで型番を調べると確認できるはずです。
前述のとおり、消費電力(W)は「電圧(V)×電流(A)」で求められます。家庭用コンセントの電圧は100Vのため、消費電力を100で割れば電化製品ごとに必要なアンペア数が確認できるのです。
例えば、消費電力1200Wのドライヤーの場合、1200W÷100V=12Aが必要だとわかります。主な電化製品のアンペア数の目安は、下記のとおりです。
- <主な電化製品のアンペア数(目安)>
- ・エアコン: 5.8~14A(冷房)、6.6~20A(暖房)
- ・電気カーペット(3畳用): 8A(全面)、4A(半面)
- ・テレビ: 2.1A(液晶42型)、4.9A(プラズマ42型)
- ・掃除機: 2A(弱)、10A(強)
- ・アイロン:14A
- ・ドライヤー:12A
- ・冷蔵庫:2.5A
- ・電子レンジ:15A
- ・炊飯器(5.5合炊き):13A
- ・IHクッキングヒーター:20~30A
- ・据え置き型食洗機:13A
- ・洗濯機(ドラム式): 2A(洗濯時)、13A(乾燥時)
※出典:東京電力エナジーパートナー「主な電気機器のアンペアの目安」
ピーク時のアンペア数を計算
続いては、電気消費のピーク時のアンペア数を計算してみましょう。最も多くの電化製品を使用する時間帯を想定し、同時に使用する電化製品のアンペア数を足していきます。
- <3人世帯で夜間に使用する電化製品の例>
- 照明:1A
- エアコン(暖房):6.6A
- テレビ(液晶):2.1A
- 冷蔵庫:2.5A
- 電子レンジ:15A
- ドライヤー:12A
⇒ 合計:39.2A
上記の例では、少なくとも40Aの契約が必要になることがわかります。このように、電化製品の使用状況によって必要な契約アンペア数は異なるため、世帯ごとに適切なアンペア数を試算しておくことが大切です。
契約アンペア数を下げる電気代節約術
契約アンペア数を上げると一般的には基本料金も高くなるため、可能であれば契約アンペア数を抑えたいという方もいるでしょう。契約アンペア数を下げるには、電気の使用量を節約することが大切です。
具体的には、下記のような対策を講じることをおすすめします。
一度に使用する電化製品(消費電力)を減らす
世帯で必要なアンペア数は、同時に使用する電化製品のアンペア数の合計値となります。つまり、一度に使用する電化製品を減らせば、契約アンペア数を下げてもブレーカーが落ちる心配がなくなるのです。
例えば、電子レンジやドライヤーのようにアンペア数が高い電化製品は同時に使わない、エアコンを稼働させた直後は有線タイプの掃除機を使わないなど、同時使用を避ける電化製品の組み合わせを覚えておくといいでしょう。
契約アンペア数を下げるときの注意点
契約アンペアを無理に下げてしまうと、電化製品の使い方や同時に稼働させる点数によっては、ブレーカーが頻繁に落ちるようになります。電化製品の中には、突然電源の供給が止まると不具合や故障の原因となるものもあるため、できるだけブレーカーが落ちない使い方をするほうが望ましいでしょう。
消費電力ピーク時のアンペア数は必ず計算し、余裕を持って契約アンペアを決めるようにしてください。特に冷暖房器具は、室温と設定温度に差があると大きな電力を消費する場合があります。ぎりぎりの契約アンペアにならないよう、少々余裕を残しておくことが大切です。
アンペアにまつわる疑問をQ&Aで解消!
アンペアやボルト、ワットなどの単位について疑問点は残っていませんか?アンペアについて、よくある質問をQ&A形式で紹介します。
Q.契約アンペアの変更手続きはどうやるの?
アンペア変更の手続き方法は、契約する電力会社や電力プランによって異なります。まずは契約中の電力会社に連絡を入れた上で、適切な手続きを取りましょう。
なお、多くの電力会社では、電話やWEBでの変更受付も行っています。
Q.アンペア変更には工事が必要?
アンペアの変更は、分電盤の中にあるアンペアブレーカーの交換工事が必要です。また、家の中に分電盤がある場合は、工事の際に住人の立ち合いも必要となります。
通常、アンペア工事の工事費用は無料ですが、アンペアブレーカーが取り付けられていない場合は設置工事の費用が発生します。
Q.マンションと戸建てで必要なアンペアは変わる?
マンションと戸建てでは、必要なアンペアが変わるケースが多いでしょう。一般的には戸建てのほうが契約アンペアは大きくなる傾向があります。戸建ては集合住宅より専有面積が広い傾向があり、気密性に欠けるデメリットもある点が主な理由です。
Q.契約アンペアを下げても大丈夫?
契約アンペア数は、同時に使用する電化製品のアンペア数の合計よりも高ければ問題ありません。契約アンペア数を超える電化製品の使い方をすると、ブレーカーが落ちる原因となるため注意してください。
契約アンペア数を下げる際には、電化製品ごとの消費電力をチェックした上でアンペア数を計算し、ピーク時に必要なアンペア数の合計値を算出しておくことをおすすめします。
【まとめ】アンペア数変更ご検討中ならHTBエナジーに!
アンペア(A)とは電流の大きさを表す単位であり、消費電力を電圧で割ることにより算出できます。契約アンペア数に応じて電気の基本料金が変動することから、できるだけアンペア数を抑えられるよう電気の使用量を節約することが大切です。
HTBエナジーでは、基本料金・電力量料金が一律のプランや毎日2時間電気代が無料になるプランなど、ライフスタイルに合わせて選べるさまざまなプランをご用意しています。現在の電力会社から契約を切り替えても、供給される電気の質や災害時の復旧対応は従来のまま変わりません。電力会社の乗り換えを検討される際には、ぜひ安心・安全なHTBエナジーの電気の利用をご検討ください。
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