消費電力1200Wの電気代は1時間でいくら?家電別の節約法も解説
今回は、消費電力1,200Wの代表的な家電について、一般的な使い方をした場合の電気代をまとめました。家電ごとに電気代を節約する方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
電気代の計算方法
まずは電気代の計算方法を押さえておきましょう。電気代を計算する際には、下記の数式を用います。
- <電気代の計算式>
- 電気代=1時間あたりの消費電力(kWh)×電力料金単価(円/kWh)×使用時間(h)
- 電気代の計算で重要なポイントとなるのが電力料金単価です。近年の電気代高騰を受け、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会は、2022年7月22日に電気代の目安単価を改定しました。新たに目安単価となったのは31円/kWhです。そのため、本記事で紹介する家電別の電気代は31円/kWhにて計算しています。
家電別・1,200Wの電気代
家庭内で使われる家電製品のうち、消費電力1,200Wの家電は大型のモーターや熱源装置を備えたものが多く見られます。それぞれの家電の一般的な使い方を想定した場合、電気代がどのくらいかかっているのか確認していきましょう。
掃除機の電気代
消費電力1,200Wの掃除機を1日15分間、毎日使用した場合の電気代は下記のとおりです。
- <掃除機で想定される電気代>
- ・1日の電気代(15分間使用の場合):9.3円
- ・1ヵ月(30日間)の電気代:279円
- ・1年間の電気代:3,348円
実際には、掃除機を使用する頻度や時間によって電気代は変動します。掃除機を2日に1回使用する場合は上記の電気代の2分の1、1回の使用時間が10分程度の場合は上記の電気代の3分の2を目安にしてください。
アイロンの電気代
消費電力1,200Wのアイロンを1回15分間、週2回使用した場合の電気代は下記のとおりです。
- <アイロンで想定される電気代>
- ・1日の電気代(15分間使用の場合):9.3円
- ・1ヵ月(週2回×4)の電気代:74.4円
- ・1年間の電気代:892.8円
アイロンは掃除機などの家電と比べて使用頻度が低いと想定されることから、年間の電気代も比較的抑えられています。ただし、アイロンがけが必要な衣類の点数が多く、1回の使用時間が長くなる場合や、電源の消し忘れが多い場合は、上記よりも電気代が高くなる点に注意しましょう。
ドライヤーの電気代
ドライヤーは使う頻度の高い家電です。消費電力1,200Wのドライヤーを1日5分間、毎日使用した場合の電気代を見ていきましょう。
- <ドライヤーで想定される電気代>
- ・1日の電気代(5分間使用の場合):3.1円
- ・1ヵ月(30日間)の電気代:93円
- ・1年間の電気代:1,116円
ドライヤーは1日あたりの電気代は高いと感じられないかもしれませんが、毎日使用すると年間の電気代はかさみます。家族が多い世帯では、上記の電気代×人数分がかかることもあると考えてください。
ドライヤーは、家族構成によっても電気代が大きく変動する家電といえます。
電子レンジの電気代
電子レンジの電気代は、1回に使用する時間の長さと使用頻度に応じて変動します。一般的に、茶碗一杯分の常温のご飯やマグカップの飲み物などを温める際には、1分程度の使用時間を想定しています。
1日あたり5分間、毎日使用した場合の電気代は下記のとおりです。
- <電子レンジで想定される電気代>
- ・1日の電気代(5分間使用の場合):3.1円
- ・1ヵ月(30日間)の電気代:93円
- ・1年間の電気代:1,116円
電気ケトルの電気代
消費電力1,200Wの電気ケトルでお湯を沸かす場合は、1分間程度でお湯が沸くと想定します。
1日2回ずつ毎日使用した場合の電気代は下記のとおりです。
- <電気ケトルで想定される電気代>
- ・1日の電気代(1分間×2回使用の場合):1.24円
- ・1ヵ月(30日間)の電気代:37.2円
- ・1年間の電気代:446.4円
一見すると、電気ケトルは電子レンジよりも電気代が抑えられています。しかし、電気ケトルの中には保温機能付きのものも多いため、お湯を沸かした後の保温にも電気代がかかる点には注意が必要です。お湯を沸かすだけであれば電子レンジよりも電気代を抑えられますが、長時間保温する場合は電気代に気をつけましょう。
据え置き型食洗機の電気代
消費電力1,200Wの据え置き型食洗機には、洗浄から乾燥まで1時間程度を要するものが多く見られます。食洗機を1日2回使用することを想定した場合の電気代を見ていきましょう。
- <据え置き型食洗機で想定される電気代>
- ・1日の電気代(1時間×2回使用の場合):74.4円
- ・1ヵ月(30日間)の電気代:2,232円
- ・1年間の電気代:2万6,784円
なお、食洗機を使用する際には電気代のほか、水道代や洗剤代などもかかります。庫内容積50Lの据え置き型食洗機の場合、1回あたりの標準使用水量は11L前後(水道代約2.9円)、洗剤使用量は5g前後(洗剤代約3.6円)です(※)。
エアコンの電気代
消費電力1,200Wのエアコンは、9~12畳程度の広さに適したタイプと捉えてください。なお、エアコンは部屋を暖めたり冷やしたりし始めるときに最も電力を消費します。エアコンをつけているあいだ、常に最大能力1,200Wの消費電力を使っているというわけではありません。
仮に1,200Wの消費電力で使われ続けた場合、1日、1ヵ月、1年間の電気代は下記のように換算できます。
- <エアコンで想定される電気代>
- ・1日の電気代(8時間使用の場合):297.6円
- ・1ヵ月(30日間)の電気代:8,928円
- ・1年間の電気代(6~8月、11~2月に使用する場合):6万2,496円
エアコンは自動温度設定機能を使用すれば、室内が適温になった後はアイドリング運転へと自動的に切り替わります。使い方次第では、上記ほど電気代がかからないことも想定できるでしょう。
オイルヒーターの電気代
消費電力1,200Wのオイルヒーターは、リビングなど比較的広い部屋で使用する大型のタイプが多く見られます。温度設定機能がついているものであれば、設定温度を「高」にした場合の消費電力が1,200Wと捉えてください。
早朝や帰宅後など、部屋が暖まるまでの1日2時間程度、秋冬の4ヵ月間使用した際の電気代は下記のとおりです。
- <オイルヒーターで想定される電気代>
- ・1日の電気代(2時間使用の場合):74.4円
- ・1ヵ月(30日間)の電気代:2,232円
- ・1年間の電気代(11~2月に使用する場合):8,928円
セラミックファンヒーターの電気代
セラミックファンヒーターは、運転モードを「強」で使用した場合に1,200W程度の消費電力に達する器具が多く見られます。部屋が暖まるまでの1日1時間程度、セラミックファンヒーターを「強」モードで使用した場合を想定して、電気代を算出します。
- <セラミックファンヒーターで想定される電気代>
- ・1日の電気代(1時間使用の場合):37.2円
- ・1ヵ月(30日間)の電気代:1,116円
- ・1年間の電気代(11~2月に使用する場合):4,464円
セラミックファンヒーターは手軽に使えますが、運転モードを「強」のまま使用し続けると、電気代も高くなっていく点には注意してください。
1,200W家電の電気代節約術
続いては、電気代の節約につながる家電の使い方について見ていきましょう。家電ごとに利用シーンや使用頻度は異なるため、家電別に節約術をご紹介します。
掃除機の節約術
掃除機の電気代を節約するポイントは、主に下記の3点です。
- <掃除機の節約ポイント>
- ・運転モードの「強」「弱」を使い分ける
- ・フィルターをこまめに掃除する
- ・掃除機をかける時間を必要最小限にとどめる
消費電力1,200Wの掃除機であっても、最大出力となるのは運転モードが「強」の場合に限られるケースがほとんどです。特に汚れが目立つ場所や絨毯など、ゴミやほこりが残りやすい場所に限って「強」モードを使用しましょう。
また、フィルターにほこりが詰まっていると掃除機の吸引力が低下する原因となります。吸引力が低くなると、ゴミやほこりが吸い込みにくくなるため、掃除の時間が長くなります。電気代節約のためにもフィルターの掃除はこまめに行ってください。
アイロンの節約術
アイロンの電気代を節約するポイントは下記の3点です。
- <アイロンの節約ポイント>
- ・できるだけまとめてアイロンがけをする
- ・低温のアイロンがけから順に進める
- ・洗濯じわをできるだけ抑える
アイロンはできるだけまとめて使用すると、稼働時間を最小限に抑えることができるでしょう。
また、アイロンがけの順序も重要なポイントです。低温でのアイロンがけから順に進めていくと、アイロンが温まるまでの時間を有効活用できます。さらに、洗濯機の脱水時間を短めに設定し、洗濯が完了したらすぐにアイロンがけをすると洗濯じわが抑えられ、稼働時間の短縮につながるはずです。
ドライヤーの節約術
ドライヤーの電気代節約術は下記の3点です。
- <ドライヤーの節約ポイント>
- ・十分にタオルドライをしてからドライヤーをかける
- ・運転モードを使い分ける
- ・省エネタイプのドライヤーに買い替える
当然ながらドライヤーの稼働時間が長くなるほど、電気代はかさみます。ドライヤー前にはしっかりとタオルで水気を吸い取っておき、より短時間で髪を乾かすようにしましょう。
また、運転モードを適切に使い分けることも大切です。髪が乾き始めてきたら風力を「強」から「弱」に切り替える、冷風モードを活用するといった工夫をすることで、電気代を節約できます。
電子レンジの節約術
電子レンジは、使い方次第で温めムラを防いだり、温める時間を短縮できたりします。
下記の3点を意識することで、電気代の節約は可能です。
- <電子レンジの節約ポイント>
- ・温める食品を置く位置に注意する
- ・冷凍品は自然解凍しておく
- ・庫内を清潔に保つ
電子レンジで温める食品が1点であれば庫内の中央、複数ある場合はできるだけ小分けにして等間隔に並べて置きましょう。冷凍品は自然解凍しておくことで、温め時間を短縮することができます。
なお、見落としやすいのが庫内の清掃です。庫内に汚れが付着していると、電子レンジの熱効率が低下する原因になる場合があります。庫内はこまめに拭き、汚れが溜まらないように気を配ってください。
電気ケトルの節約術
電気ケトルは短時間でお湯を沸かすことができるため、少量のお湯であればガスコンロを使うよりも光熱費を抑えられます。下記に挙げるポイントを意識すると、さらに電気代を節約可能です。
- <電気ケトルの節約ポイント>
- ・必要な量だけお湯を沸かす
- ・保温機能の使用は最小限に
- ・定期的に内部を洗浄する
沸かすお湯は必要量のみにし、保温機能はできるだけ使用を避けましょう。内部洗浄については、こまめに行うことが大切です。内部に水垢が溜まると熱効率が悪くなり、お湯が沸くまでの時間が長くなってしまいます。クエン酸による内部洗浄を行うなど、内部を清潔に保ってください。
据え置き型食洗機の節約術
据え置き型食洗機は1回の使用時間が長くなりやすいことから、電気代がかさむ原因になりがちです。
電気代を効果的に節約するには、下記のポイントを押さえて利用しましょう。
- <据え置き型食洗機の節約ポイント>
- ・食器をできるだけまとめて洗う
- ・乾燥時間を短くする
- ・電気代の安い時間帯に使用する
食洗機は「洗浄」のイメージが強いかもしれませんが、乾燥中に熱風を放出する際にも多くの電気を使用します。洗浄後は扉を開けて自然乾燥させたほうが、電気代の節約には効果的です。
また、夜間に電気代が安くなるプランに加入している場合は、夜間にまとめて食器を洗うほうが電気代を抑えられます。タイマー予約機能なども活用して、電気代を上手に節約していってください。
エアコンの節約術
エアコンが最も電力を消費するのは、運転開始直後から部屋が適温になるまでのあいだです。
電気代節約には、下記の3点を意識することをおすすめします。
- <エアコンの節約ポイント>
- ・温度設定を上げたり下げたりしすぎず、風量は「自動」にする
- ・フィルターをこまめに清掃する
- ・サーキュレーターを併用する
エアコンは風量を「自動」に設定することによって、室内が適温になった後は風量を自動的に抑えることができます。フィルターはこまめに掃除し、風通しを良くしてください。また、サーキュレーターを併用すると温風や冷風が循環しやすくなり、より短時間で部屋全体が適温になります。
オイルヒーターの節約術
オイルヒーターは、緩やかに室温を上げる暖房器具です。内部のオイルに保温効果があるため、一度暖まれば余熱による暖房効果がしばらく持続します。こうしたオイルヒーターの特性を活かすことが、電気代を効果的に節約するポイントです。
- <オイルヒーターの節約ポイント>
- ・設定温度を上げすぎない
- ・室温が上がるまでエアコンと併用する
- ・冷気が入り込みやすい場所に設置する
オイルヒーターを使用する際は、部屋全体を短時間で暖める能力に長けたエアコンも併用すると、短時間で室温を高めて電気代を節約できます。また、窓際などの冷気が室内に侵入しやすい場所にオイルヒーターを設置すると、冷気をブロックする役割を果たしてくれます。
セラミックファンヒーターの節約術
セラミックファンヒーターは、限られた空間を暖めるのに適した暖房器具です。
電気代を節約するためには、下記に挙げる使い方が効果的です。
- <セラミックファンヒーターの節約ポイント>
- ・脱衣所や洗面所など、比較的狭い場所で使用する
- ・設定温度を上げすぎない
- ・広い場所で使用する際にはほかの暖房器具を併用する
セラミックファンヒーターひとつで部屋全体を暖めるには、時間がかかります。リビングなど広い部屋ではエアコン、脱衣所や洗面所など限られた空間を暖める際にはセラミックファンヒーターといったように、空間の広さに応じて暖房器具を使い分けることが大切です。
電気代そのものを節約するには?
電気代を節約するには、家電ごとの使い方のコツをつかむ以外にも効果的な方法がいくつかあります。
ここでは、電気代そのものを抑える方法を紹介しますので、ぜひ実践してみてください。
消費電力が低い家電を選ぶ
家電の用途によっては、消費電力1,200W分の能力が不要な場合もあります。用途に応じて消費電力が低い家電を選べば、必要以上に電力を消費するのを防げるでしょう。特に、掃除機や暖房器具などは、使用する部屋の広さや間取りを考慮して購入することが大切です。
省エネモードがついた家電を選ぶ
省エネモードを搭載した家電は、性能を大きく下げることなく消費電力を抑えられるため、無理なく電気代を節約できます。
また、新しい器具のほうが省エネ性能に優れているケースは少なくありません。長い目で見た場合、家電を買い替えたほうが電気代の節約につながる可能性もあるでしょう。
こまめにコンセントを抜く習慣をつける
家電をコンセントに挿したままだと、使用をしていなくてもわずかな電力を消費する「待機電力」が発生します。 資源エネルギー庁の推計によれば、1世帯あたりの年間待機電力を消費電力量に換算すると228kWhです。228kWhは、同推計による1世帯あたりの全消費電力量4,432kWh/年の5.1%にも相当します。家電を使用していないときは、こまめにコンセントを抜く習慣をつけることが大切です。
出典:資源エネルギー庁「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要」
電気会社・プランを見直す
契約する電力会社や料金プランを見直すのも、効果的に電気代を節約する方法といえます。2016年4月以降、契約する電力会社を消費者が自由に選べるようになりました。地域の大手電力会社以外にも、新電力と呼ばれる電力小売事業者を自由に選択して契約することができます。
例えば、電気を主に夜間に使う世帯であれば、夜間の電気代が割安なプランを選んだほうが節約につながります。契約する電力会社を変更しても、共有される電気の質や災害時の復旧対応などは従来と変わりません。無理なく電気代を節約するには、電力会社や料金プランを見直すのがおすすめです。
1,200Wの電気代にまつわる疑問をQ&Aで解消!
消費電力1,200Wの家電を使用する際に発生する電気代について、よくある質問をQ&Aにまとめました。疑問点や不明点の解消に役立ててください。
Q. 電気代の計算方法って?
電気代は、下記の数式で計算することができます。
- <電気代の計算式>
- 電気代=1時間あたりの消費電力(kWh)×電力料金単価(円/kWh)×使用時間(h)
- なお、電力料金単価は2022年7月に見直され、従来の27円/kWhから31円/kWhに改定された点には注意してください。家電のカタログ等に表示されている電気代の目安が27円/kWhで算出されている場合は、1.15倍することで31円/kWhに近い料金を概算できます。
Q. 1,200Wの家電の節約方法は?
家電を使用する際にかかる電気代は、消費電力と使用時間によって決まります。同じ1,200Wの家電を使用する場合も、使用時間が短いほど電気代は抑えられます。
そのため、運転モードを切り替えられる場合は「弱」などを使う、または使用時間をできるだけ短くするなどして節約してください。家電ごとの特性に応じて、適切な使用時間や使用場所を把握しておくことが大切です。
Q. 電気代そのものを節約する方法は?
電気代そのものを節約するには、「消費電力が低い家電を選ぶ」「省エネモード付きの家電を購入する」「こまめにコンセントを抜く」「電力会社・電気料金プランを見直す」といった方法が挙げられます。
特に電力会社・料金プランの乗り換えに関しては、ライフスタイルに合ったプランを選ぶことで無理なく電気代を節約できる可能性があるためおすすめです。現状の電気の使い方や使用時間帯を踏まえて、ご自身に合った料金プランを選んでみてはいかがでしょうか。
【まとめ】消費電力1,200Wの家電も工夫次第で電気代は抑えられる
消費電力1,200Wの家電は、家庭内にたくさんあります。しかし、それぞれの家電の使い方を工夫すれば、電気代は効果的に抑えることは可能です。今回紹介したポイントを参考に、ぜひ電気代の節約につながる家電の使い方を実践してください。
HTBエナジーでは、従来の電気の質はそのままに、安心・安全な電気をご提供しています。電力会社の乗り換えを検討される際には、ぜひHUBエナジーも選択肢に加えてみてください。
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