新電力はなぜ安い?多くの家庭が切り替えている理由とは
家庭や商店向けの電力小売りが全面自由化したのは2016年。その後、多くの企業が新電力に参入しましたが、興味はあっても「何がおトクかよく分からない」という方もいるでしょう。ただ、実際にはすでに多くの家庭が新電力に切り替えていて、節約の恩恵を受けているケースも珍しくありません。
ではすでに切り替えた家庭は、新電力のどこに魅力を感じたのでしょうか。そのためには、まず「新電力とは何なのか?」という点への理解を深めることが大切です。そして、新電力が電気料金を安く抑えられる理由についても的確に把握しておきましょう。
ではすでに切り替えた家庭は、新電力のどこに魅力を感じたのでしょうか。そのためには、まず「新電力とは何なのか?」という点への理解を深めることが大切です。そして、新電力が電気料金を安く抑えられる理由についても的確に把握しておきましょう。
目次
知っておきたい新電力の基本と歴史
新電力をまだよく理解していない方のために、新電力の基本や完全電力自由化に至るまでの歴史を紹介します。新電力が生まれた背景を知ることで、きっと全容がつかみやすくなるはずです。そもそも「新電力」とは?
「新電力」とは、電力自由化が始まってから新しく参入した小売電気事業者(電気の販売業者)を指します。従来は東京電力や関西電力など、各地域に1つある大手電力会社(以下・大手電力会社)だけが電気を供給し、企業や家庭などに電気を販売することを認められていました。しかし、電力自由化以降、電気の販売には他業者も新電力(登録小売電気事業者)として参入できるようになり、令和3年5月31日現在は722の電力会社が企業や家庭などに電気を販売しています。電力自由化の歴史
新電力の参入が可能となった電力自由化は2000年から始まりました。歴史の詳細については下記の表をご覧ください。2000年3月 | 特別高圧区分(原則契約電力2,000kW以上の大規模工場・オフィスビル・デパートなど)を対象に電力自由化開始 |
2004年4月 | 高圧区分(原則契約電力50kW以上の中小規模工場・中小ビルなど)のうち契約電力500kW以上まで電力自由化の対象を広げる |
2005年5月 | 高圧区分(原則契約電力50kW以上の中小規模工場・中小ビルなど)の全てまで電力自由化の対象を広げる |
2016年4月 | 低圧区分(契約電力50kW未満の小規模商店や一般家庭)まで電力自由化の対象を広げる |
電力自由化は、まずは大きい規模を対象に始まり、徐々に小規模まで範囲を広げました。現在では、小規模商店や家庭でも自由に契約する電力会社を選べるようになりました。
電気はどこで作る?気になる新電力の仕組み
2016年に電力の小売全面自由化となってから、「新電力はおトク」という評判を聞いたことがある方も多いでしょう。しかし、新電力はなぜおトクに電気を使用できるのでしょうか。そもそも新電力が販売する電気はどこで作られているかも知らない方もいるでしょう。まずは新電力の仕組みについて簡単に説明します。発電所で作られた電気は、「送電線→変電所→配電線」を経て企業や家庭に供給されます。また、電力の供給システムは、次の3部門に分類されます。
発電部門 | 電気を作る部門 |
送配電部門 | 変電所に電気を送る「送電」および 企業や家庭などに電気を送る「配電」を行う部門 |
小売り部門 | 変電所から企業や家庭に送る電気を販売する部門 |
多くの新電力は上記の3部門のうち、小売り部門を担当している会社が大半です。小売り全面自由化によってさまざまな企業が小売り部門に参入はしているものの、送配電部門は変わらず大手電力会社が担うケースがほとんどだと言えるでしょう。
画像引用:資源エネルギー庁(https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/electricity_liberalization/supply)
ただ、電気の小売業者には大手電力会社も名を連ねており、電力自由化後も非常に多くの企業や家庭が大手電力会社と契約しています。そのことから新電力各社は自らの強みを生かして電気代をより安くしており、自らの競争相手となる地域の電力会社や新電力他社との差別化を図っています。
新電力はなぜ安い?主な3つの理由
新電力への切り替えに興味がある方が気になる疑問としては、「なぜ安くできるか?」ではないでしょうか。それには明確な3つの理由があります。理由1:ターゲット層を絞った料金設定だから
大手電力会社は自社のエリアにいる家庭や企業のすべてをターゲットにする必要がありますが、新電力は電気代を下げても利益が確保できそうな層をターゲットに絞り、その層に安い料金で電気を売ることができます。もしそのターゲットとご自身がマッチする場合は毎月の電気代を大きく下げられる可能性が高くなります。理由2:他の事業で収益を上げているから
新電力には、ガス会社、石油会社、などのエネルギー産業のほか、携帯電話会社、クレジットカード会社、IT企業など畑違いの企業も多く参入しています。そのいずれも電力事業とは別の主力事業で高い収益を上げて余力があるため、その分電気代を安くできます。理由3:大規模設備を保有している会社が少ないから
発電や送配電を行うための大規模設備を保有する新電力会社は少数派であり、そうした費用負担をしている会社がほとんどない点も新電力の電気代が安くなる理由の1つです。ハイコストな大規模設備で発電・送配電を行っている大手電力会社は、そのコストを電気代に含めています。しかし、新電力会社はそのコストが電気代に含まれないことがほとんどのため、電気代をより安くできる傾向にあります。新電力が電気代を安くできる背景には上記の事情があるのです。
新電力にまつわる疑問をQ&Aで解消!
新電力のキホンがわかっても、まだまだすべてのギモン解消には至らないかもしれません。「もっと新電力のことが知りたい!」という方のために、多くの方が抱く新電力の疑問にQ&A形式で回答します。Q1:大手電力会社と比較した停電のリスクは?
A1:送配電部門は変わらず大手電力会社が担っているというのが実情なので、電気の質や停電リスクが上がるということはありません。Q2:電気使用量の制限はある?
A2:新電力に切り替えても電力使用量の制限はありません。「新電力の倒産時や災害時などの非常時に電気が制限されるのでは?」という心配も無用です。そうした非常時でも送配電事業者の大手電力会社が送電や復旧作業、電気の供給を行いますので、制限なく電気を使用できます。Q3:新電力への切り替えは費用がかかる?
A3:新電力への切り替えに費用はかかりません。また、スマホなどで現在契約する電力会社の検針票や領収書の内容と新電力に切り替える旨を伝えると、その会社が切り替えの手続きを行ってくれるので手間もかかりません。※現在加入している電力会社のプランによっては違約金等が発生する場合がございます。
上記のQ&Aの内容以外での不安や疑問がある場合は、各新電力会社の無料相談などで問い合わせをしてみましょう。まずはご自身にとって有益な情報を多く集めることが大切です。
【まとめ】新電力にメリットを感じた方はHTBエナジーに
新電力への不安や疑問が減り、知識や理解が深まってそのメリットを感じた方も多いのではないでしょうか。それを踏まえて新電力への切り替えをお考えの場合はぜひHTBエナジーをご検討ください。HTBエナジーでは各ご家庭の世帯人数やライフスタイル、電気の使い方や使用時間など、さまざまなニーズに合わせて多様なプランを取りそろえています。また、スマホでの電気料金シミュレーションや無料相談で各ご家庭のニーズに合った提案も行っています。新電力への切り替えならぜひHTBエナジーにご相談ください。
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◆ライタープロフィール:大岩楓 元銀行員にしてベテラン主婦フリーライター。クレジットカードや節約記事などの執筆のほか、既成記事の校閲も担当。50代になった現在、最大の関心事は「老後のお金」など今後のマネープランについて真剣に考え始めている。自らの勉強も兼ね、銀行員時代に培った金融知識と25年以上の家計管理経験をベースにお金に関するさまざまな事柄について深堀りする。 |
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