自宅でパソコンを使用する際の電気代は?気になる節約術も紹介

近年はコロナ禍の影響もあり、自宅でのテレワークを行う頻度が増えています。
総務省・情報流通振興課が行った「ポストコロナ」時代におけるテレワークの在り方によれば、令和2年の全就業者におけるテレワーカーの割合は、前年(コロナ前)の15.4%から7.1%増の22.5%。そのうち、会社員などの雇用型テレワーカーは前年より8.2%増加の23.0%でした。特に雇用型テレワーカーがこの1年で大きく増えたことが分かります。
テレワークに欠かせないのがパソコンですが、テレワーカーの方は自宅でパソコンを使用した際の電気代を意識しているでしょうか。今回はパソコンの電気代について検証を行います。
総務省・情報流通振興課が行った「ポストコロナ」時代におけるテレワークの在り方によれば、令和2年の全就業者におけるテレワーカーの割合は、前年(コロナ前)の15.4%から7.1%増の22.5%。そのうち、会社員などの雇用型テレワーカーは前年より8.2%増加の23.0%でした。特に雇用型テレワーカーがこの1年で大きく増えたことが分かります。

テレワークに欠かせないのがパソコンですが、テレワーカーの方は自宅でパソコンを使用した際の電気代を意識しているでしょうか。今回はパソコンの電気代について検証を行います。
計算してみよう!パソコンの電気代
テレワークでも業務をスムーズに遂行するためには、パソコンの存在が不可欠です。しかし、長時間業務に使用するだけに、想像以上に電気代がかかっているかもしれません。パソコンの1時間あたりの電気代は「消費電力(ワット)÷1,000×27」で計算できます。
※全国家庭電気製品公正取引協議会(略称は家電公取協)が定めた電力料金の目安単価が27円/kWhのため
上記のように目安を知ったうえで、実際の使用量と照らし合わせてどれくらい電気代がかかっているのかをイメージしてみましょう。ここではその一例として、最新機種のデスクトップパソコンとノートパソコンの消費電力をもとに1時間あたりの電気代を計算してみます。
【デスクトップパソコンの1時間当たりの電気代】 ・使用時(最大約90W) 90W÷1000×27kWh=約2.4(2.43)円 ・スリープ時(約3.4W) 3.4W÷1000×27kWh=約0.1(0.0918)円 ※NEC「A2377/BAシリーズ」の消費電力をもとに電気代を算出 |
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【ノートパソコンの1時間当たりの電気代】 ・使用時(最大約45W) 45W÷1000×27kWh=約1.2(1.215)円 ・スリープ時(約0.3W) 0.3W×1000×27kWh=約0.1(0.0081)円 ※NEC「N1565/AAシリーズ」の消費電力をもとに電気代を計算 |
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上記の通り、ノートパソコンの使用時の電気代はデスクトップパソコンの約半額なので、電気代だけを考えるならノートパソコンの方がお得でしょう。しかし、デスクトップパソコンの電気代もそれほど高くはない印象ではないでしょうか。ただ、使用状況によって電気代が大きく異なるので、パソコンの電気代を計算する場合はそれを考慮に入れる必要があります。
1ヶ月の相場はいくら?ケース別の電気代を紹介
前述の「1時間あたりのパソコンの電気代」をもとに、各ケースにおいて電気代がいくらかかるかをシミュレーションしてみましょう。日々の使用方法や使用量によって電気代がどのくらい推移するかを実感することで、今後の節約にも活かせるでしょう。
・ケース1:1日8時間、20日間使用
会社員が自宅で8時間テレワークを行うことを想定したケースで電気代を計算します。※パソコンの未使用時は電源オフにすることを前提としています。
デスクトップパソコン 2.4円×8時間×20日=384円 ノートパソコン 1.2円×8時間×20日=192円 |
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いずれのパソコンも1ヶ月の電気代はそれほど高くない印象です。しかし、オフィス勤務からテレワークになった会社員の場合、本来会社が払うパソコンの電気代を自腹で払う形になるため、テレワークで新たに発生するパソコンの電気代が地味に家計の負担のなる心配があるでしょう。
ケース2:24時間365日付けっ放し
もしも24時間365日パソコンをつけっぱなしにしたとしたら、その際はどのくらい電気代がかかるのでしょうか。その検証が下記の数値です。
デスクトップパソコン <24時間使用> 2.4円×24時間×30日=1,728円 <使用/スリープ各12時間> 使用時:2.4円×12時間×30日=864円 スリープ時:0.1円×12時間×365日=36円 合計:900円 ノートパソコン <24時間使用> 1.2日×24時間×30日=864円 <使用/スリープ各12時間> 使用時:1.2円×12時間×30日=432円 スリープ時:0.1円×12時間×30日=36円 合計:468円 ※1ヶ月を30日として計算 |
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このケースにおけるパソコンの使用時間は、睡眠時間などを考慮すれば最大でも12時間程度ではないでしょうか。それを考慮に入れれば1ヶ月の電気代はどちらも1,000円以内です。
しかし、オフィス勤務からテレワークになった会社員が12時間仕事でパソコンを使う場合、家庭の月間電気代は500円~900円前後、年間にするとオフィス勤務時より5,000~1万円程度高くなります。
ケース3:1週間に10時間程度使用
自宅でそれほどパソコンを使わないケースを想定した電気代の計算も行いました。※使用時以外は電源オフにすることを前提にしています。
デスクトップパソコン 2.4×10×4.3=約103(103.2)円 ノートパソコン 1.2×10×4.3=約52(51.6)円 ※1ヶ月あたりの週数を4.3(計算式30日÷7日=4.285…)として計算 |
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このケースではパソコンを使用する時間が短い分、電気代も安くなります。この程度の金額であればパソコンの電気代が家計に与える負担も少ないでしょう。
上記の3つのケースで特に注意したいのが、ケース1・2に該当する「オフィス勤務→テレワーク」の会社員です。人によってはオフィス勤務時より毎月の電気代が約1,000円、年間で1万円以上増えている可能性もあります。その場合はまず電気代や電気の契約などを見直し、毎月の電気代を下げることを考えましょう。
パソコンの電気代にまつわるギモン解消
ひと口にパソコンと言っても、常に同じだけ電気代がかかっているわけではありません。設定によっても消費する電力量が変わり、電気代も変わってきます。その点については説明した通りですが、パソコンの電気代にまつわるギモン解消のために、よくある疑問に回答します。
Q1:スリープモードにしておくと電気代の節約になる?
A. パソコンのスリープモードは電気代を節約できる機能です。たとえば、先ほど挙げた最新型のデスクトップパソコンは使用時電力消費量の約4%、ノートパソコンは8%となるので、その節約効果は高いと言えるでしょう。ただ、スリープモードはわずかながら電力を消費するため「電源をオフにしたほうが節約になる」と思う人も多いでしょう。しかし、シャットダウンはかえって電気代が高くなる場合もあるので注意が必要です。
パソコンは起動時とシャットダウン時に最も多くの電力を消費しますので、短時間の間に頻繁にオンオフするとその分消費電力量が上がって電気代も高くなります。マイクロソフト社によれば、パソコンを使わない時間が90分以上の場合はシャットダウン、90分以内であればスリープのほうが、消費電力量が少ないとのことです。それを踏まえて上手に使い分けるとパソコンの電気代の節約効果が高くなります。
Q2:デスクトップとノートPCで電気代は異なる?
A. デスクトップパソコンとノートパソコンで電気代がどの程度変わるのかをご存知の方は少ないでしょう。結論から言えば、デスクトップの方が電気代は少し高くなります。機種によって異なりますが、先に挙げた2種類のパソコンの場合、スリープ時の電気代はノートパソコンがデスクトップパソコンの2倍です。しかし、消費電力が大きい使用時の電気代はデスクトップパソコンがノートパソコンの2倍となっており、トータルではデスクトップパソコンの電気代がノートパソコンより高くなります。どちらのパソコンも使用時間や使い方によって電気代が大きく上下するため、パソコンの電気代を節約したい場合はそちらを意識した方がより効果的でしょう。
【まとめ】テレワークも踏まえパソコンの電気代節約の工夫を
同じパソコンを使っていても、使用状況や使う人の状況によっては以前より電気代が増える場合があります。特に最近テレワークになった会社員はそれを実感しているのではないでしょうか。会社員を中心に、自宅でテレワークする機会は今後ますます増えることが予想されます。そうなった場合、家計におけるパソコンの電気代の負担が増える恐れがあるでしょう。その中でも上手に電気代を節約するためには、パソコンの電気代について適切な知識を持ち、電気代が無駄のない稼働を心がけることが大切です。
また、電気代自体の見直しも重要になります。電力自由化によって異なる電力会社への乗り換えが容易となり、毎月の電気代を安く抑えられるようになりました。パソコンの使用時間が増えて電気代も増えている場合は、その点についても前向きに検討し、毎月の電気代を安くする方向に動くことをおすすめします。
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◆ライタープロフィール:大岩楓 元銀行員にしてベテラン主婦フリーライター。クレジットカードや節約記事などの執筆のほか、既成記事の校閲も担当。50代になった現在、最大の関心事は「老後のお金」など今後のマネープランについて真剣に考え始めている。自らの勉強も兼ね、銀行員時代に培った金融知識と25年以上の家計管理経験をベースにお金に関するさまざまな事柄について深堀りする。 |
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