電力会社は乗り換えたほうがお得?選び方のコツと切り替え手続き方法
今回は、電力会社を乗り換える際に役立つプランの比較や、プランを選ぶ際のチェックポイントを紹介します。電力会社の乗換方法や適切なタイミング、これから電気代がどれだけ高騰するかについても併せて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
電力会社を乗り換える人が急増している3つの理由
電力会社を乗り換える人が急増している背景には、どのような理由があるのでしょうか。まずは主な3つの理由について見ていきましょう。
家計の節約に役立つから
2016年4月以降、消費者は電力会社を自由に選んで契約できるようになりました。新参入の小売電気事業者は総称として「新電力」と呼ばれています。新電力には従来の電力会社よりも基本料金や電力量料金の単価が安いプランも多数用意されています。つまり、月々の電気代を節約できる場合があるため、電力会社を乗り換える人が増えているのです。
電気代が値上がりしているから
2021年9月以降、大手電力会社を筆頭に電気代の値上がりが相次いでいます。ウクライナ情勢の影響による石炭や天然ガスの輸入価格高騰に加え、各社が燃料費調整額の値上げに踏み切ったからです。
一般社団法人エネルギー情報センター「新電力ネット」の調べによると、2021年4月~2023年2月の燃料費調整単価は、地域によって値上がり幅に差はあるものの、全国的に燃料費調整額が上昇していることがわかります。
電気代の値上がりを受け、少しでも電気代を抑えられる料金プランを探す人が増えるのも自然なことといえます。
選べるプランの選択肢が増えたから
新電力には、住宅の環境やライフスタイルに合わせて選べるプランが豊富にあります。例えば、基本料金がかからないプランや時間帯によって電力量料金の単価が割安になるプランなど、自分に合ったプランを選びやすくなりました。選択肢が増えたことで、自分自身の価値観やライフスタイルに合ったプランに乗り換える人が増えているのです。
電力会社の乗り換えに適したタイミングとは?
電力会社の切り替えに複雑な手続きは必要なく、各電力会社のWEBサイトで完了させることができます。特定のタイミングでしか乗り換えができないといったこともなく、契約者自身の判断でいつでも切り替えが可能です。
一方で、何らかのきっかけによって、電力会社の乗り換えを検討し始めるケースも少なくありません。電力会社を乗り換えるとすれば、どのようなタイミングが適しているのでしょうか。乗り換えタイミングの主なパターンを見ていきましょう。
現状、電気代が高いと感じているとき
毎月の電気代が高いと感じている方や、できるだけ電気代を抑えたいと考えている方は、契約する電力会社の見直しが節約につながる可能性はあります。これまで契約していた電力会社よりも基本料金や従量料金がお得なプランを選べば、高い確率で月々の電気代を抑えられるでしょう。
多くの電力会社では、契約を乗り換えた場合に電気代がどれだけ安くなるかが確認できる「料金シミュレーション」をWEBサイト上で提供しています。居住エリアや直近の電力使用量など、いくつかの情報を入力するだけで電気代がどの程度まで抑えられるかがわかるのです。現状、電気代が高いと感じている方は、料金シミュレーションを活用してみてはいかがでしょうか。
ライフスタイルが変化したとき
ライフスタイルが変化したことに伴って、電気の使い方が変わる場合はあります。例えば、下記に挙げるようなパターンが想定できるでしょう。
- <ライフスタイルの変化例>
- ・勤務先で異動したことにより、残業が減って在宅時間が増えた
- ・リモートワークが導入され、日中も自宅で仕事をするようになった
- ・子供が成長するにつれて、それぞれの部屋で電気を使う時間が長くなった
- ・電気とガスの併用からオール電化に切り替えた
電気代は、電気を多く使う時間帯が割安になる料金プランを選ぶと、節約効果が期待できます。夜間の電気使用量が増えたようなら、夜間の電気代を抑えたプランを選んだほうが節約につながるでしょう。ライフスタイルが変化した時期は、電力会社の乗り換えを検討するタイミングに適しているのです。
家族構成が変わったとき
子供の誕生や独立、親との同居など、家族構成の変化も電気の使い方に大きな影響を与えることがあります。総務省統計局が公表している「家計調査」によれば、2人世帯の電気代月平均額は1万1,307円であるのに対して、3人世帯では1万3,157円です。月平均1,850円、年間で平均2万2,200円の差が開くことから、家族構成は電気代に少なからず影響していることがわかります。
また、子供が生まれたばかりの頃は、在宅時間が長くなったり、家族の介護が必要になったことで、昼夜を問わず照明や冷暖房を稼働させたりすることも想定されます。同居する家族構成に変化があったら、契約する電力会社の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
引越しをするとき
引越しは、電力会社の乗り換えに適したタイミングといえます。引越し時は、電力会社に住所変更手続きの連絡をすることになります。住所変更のみで従来の電力会社と契約を継続することも可能ですが、「乗り換え」も「住所変更手続き」も、連絡を入れるひと手間がかかることに変わりはありません。
2016年4月1日に電力小売が自由化され、消費者は居住地域を問わず契約する電力会社を自由に選べるようになりました。離島など一部地域を除き、基本的に全国どこでも消費者の判断で電力会社を選べます。引越し先のエリアを問わず新電力を契約すれば、電気代を抑えられる可能性はあるでしょう。引越しは、電力会社の乗り換えを検討する絶好の機会です。
2023年6月以降、電気代はどの程度高くなる?
2023年6月に電気料金の値上げが予定されていることは、報道各社が報じています。実際のところ、電気代がどの程度高くなるのか、不安に感じている方もいるかもしれません。
ここでは、今後予定されている電気料金の見直し案の概要と、新電力各社の対応について解説します。
規制料金・低圧自由料金ともに値上げの見込み
2023年1月23日、東京電力は経済産業大臣に2023年6月1日以降の規制料金・低圧自由料金の値上げ申請を行いました。申請された内容が認可されるかどうか2023年3月時点では不明ですが、今後の電気代がどの程度値上がりするかを知る手掛かりとなるはずです。
値上げの具体的な申請内容としては、規制料金が平均29.31%、低圧自由料金が平均5.28%の値上げとなっています。
規制料金とは、電力小売自由化以前から大手電力会社が提供してきた電気料金プランを指します。低圧自由料金は、新電力各社が独自に決められる電気料金プランのことです。従来、消費者保護の観点から国が定める電気料金には上限が決められていましたが、燃料費高騰や国際情勢の変化を受けて、上限の引き上げに踏み切らざるをえなくなったと捉えてください。
電気代の値上げの申請が認可されれば、2023年6月以降は大手電力会社の電気代が平均3割前後、新電力の電気代が平均5%程度値上がりする見込みです。地域や電力会社によって対応は異なるものの、値上がりとなることはほぼ確実と考えていいでしょう。
新電力各社の対応
前述のとおり、新電力各社が提供する電気料金プランは、事業者が独自に決めることができます。国の方針として電気代の値上がりが決定したとしても、実際にどの程度まで料金プランを変更するかは、各社の判断に委ねられているのが実情です。
2023年3月時点で新電力各社が公表している対応としては、燃料費調整額の上限撤廃のほか、事業者によっては料金プランを変更するケースも見られます。低圧自由料金の値上げは、新電力の料金プランにも何らかの影響をもたらす可能性は高いでしょう。
ただし、居住エリアや現在契約している料金プランによっては、値上げ後も新電力に乗り換えたほうが電気代を抑えられるケースは多いと考えられます。電気の使い方やライフスタイルに合ったプランを選べば、光熱費を節約できる可能性は高いといえます。今後、さらに電気代が値上がりしていくことを踏まえても、新電力への乗り換えを検討する意義はあるのです。
電力会社・電気料金プランを比較する
電力会社・電気料金プランには、数多くの種類があります。ここでは、代表的なプランの特徴をご紹介しますので、自分に合ったプランがあるかご確認ください。
電力自由化前よりも単価が安いプラン
電力自由化前から契約している大手電力会社と比べて電力量料金単価が安いプランを選べば、月々の電気代を抑えられる可能性が高いでしょう。電力量料金単価は電気を使った分だけ高くなるケースが多いため、プランを選ぶ際には必ずチェックしておきたいポイントです。
使った分だけ一律で支払うプラン
使った分だけ一律で支払うプランとは、基本料金は0円、電力量料金単価が一律に設定されており、電気を使った分だけ料金がかかるプランです。従来の電気料金プランでは、使用する電力量が増えるにしたがって段階的に料金単価が高くなっていました。しかし、電力量料金単価が一律のプランなら、電気を多く使う傾向がある家庭の場合はお得になる可能性があります。
時間別料金プラン
時間別料金プランとは、時間帯によって電力量料金単価がお得になるプランです。日中に単価が安いプランなら、在宅時間が長い家庭は電気料金を抑えられる可能性があります。夜間に単価が安いプランを選べば、日中外出していることが多い場合に電気代の節約につながるでしょう。
ポイント・マイルが貯まるプラン
ポイント・マイルが貯まるプランは、その名のとおり電気代の支払額に応じてポイントやマイルが貯まるプランです。日常的によく使っているポイントやマイルを貯められれば、効率良くポイントを活用できる可能性があります。
環境に配慮した電気が使えるプラン
再生可能エネルギー100%で発電された電気や、CO2の排出量を抑えられる電気など、環境に配慮した電気が使えるプランもあります。電気による環境への負荷が気になっている方、環境問題に関心が高い方にとって最適なプランといえます。
キャンペーン特典があるプラン
申込み時にギフト券がもらえたり、キャッシュバックされたりするキャンペーン特典があるプランもあります。契約初年度の電気代が実質的に安くなることもあるため、目に見える形でメリットを実感したい方におすすめです。
その他のプラン
上記のプラン以外にも、ガスやインターネット回線とセットで申し込むと割引になるプランや、ガソリン代に割引が適用されるプラン、動画配信サービスの月額利用料が無料になるプランなど、さまざまな特徴のあるプランが用意されています。普段よく利用するサービスがお得に利用できれば、家計の節約につながるでしょう。
電力会社を切り替える際のチェックポイント
電力会社の切り替えにはメリットがある一方で、チェックしておきたい面もあります。電力会社の切り替え時に知っておきたいポイントを押さえておきましょう。
一般的に工事は不要で、電気の切り替えそのものに費用はかからない
電力会社の切り替えに、大掛かりな工事は必要ありません。電力を積算して計量する電力量計を、デジタルで計測するスマートメーターに切り替える場合がありますが、作業は短時間で終了し、基本的には工事費もかからないでしょう。
停電や災害時の対応も従来どおり
電力会社を乗り換えても、停電や災害時の対応は従来どおりです。電線や電柱を保守管理しているのは小売電気事業者ではないため、停電や災害時の対応に影響はありません。
プランや使い方によっては安くならない場合もある
新電力に切り替えたとしても、プランや電気の使い方によっては電気代が安くならない場合はあります。ライフスタイルに合わないプランを選んだり、電力量料金単価が現在よりも割高なプランを選んだりすると、かえって電気代が高くなるため注意してください。
解約金が発生するケースがある
電力会社によっては、契約の解約時に解約金が発生するケースがあります。契約時には解約金の有無や、解約金の具体的な金額・発生する条件についてよく確認しておくことが大切です。
契約に年数縛りがあるケースがある
契約するプランによっては、最低契約期間が定められている場合があります。例としては、1~2年の最低契約期間が設けられており、中途解約すると数千円程度の違約金が発生するケースです。電力会社は乗り換えず、プランのみ変更する場合も違約金が発生することがあるため、契約内容は十分に確認しておきましょう。
4ステップで解説する電力会社の乗り換え方
続いては、実際に電力会社を乗り換える際の進め方を4ステップで解説します。準備しておくべきことを把握し、電力会社の乗り換えをスムーズに行いましょう。
1.検針票をチェックする
まずは、現在の契約状況を確認するために検針票を手元に用意しましょう。下記の項目をチェックし、現状の契約内容を把握してください。
<チェックすべき項目>・契約アンペア数(A)・電気使用量(kWh)・基本料金2.乗換先の電力会社を選ぶ
次に、乗換先の電力会社を選びます。プランを選ぶ際には、基本料金と電気量料金単価をしっかり確認します。一般的に、電気使用量が多い家庭では、電気量料金単価の安さを重視したほうがお得になる傾向があります。また、月々の電気使用量が多く、契約アンペア数が大きい家庭の場合は、基本料金が0円で電気を使った分だけ一律で支払うプランのほうが節約につながるケースがあるでしょう。
3.料金シミュレーションをする
多くの電力会社は、電気料金を試算できる料金シミュレーションをWEB上で提供しています。現在の契約アンペア数や電気使用量を入力し、乗り換え前後でどのくらい電気代が安くなるか確認しましょう。
4.乗換先を決めて申込みをする
乗換先の電力会社が決まったら、申込みを行います。申込み前に解約金や割引適用の有無については必ず確認しておきましょう。WEB上で切り替え手続きが完結する電力会社も増えているので、手続き自体は難しくありません。また、乗換前に使っていた電力会社に、契約変更の連絡は不要です。
電力会社乗り換えにまつわる疑問をQ&Aで解消!
電力会社の乗り換えに関して、よくある質問をQ&Aにまとめました。電力会社の乗り換えを検討する際にお役立てください。
Q. 電力会社を乗り換える人が急増している理由は?
電力会社を乗り換える人が急増しているのは、電気代を節約できるケースが多いこと、電気代が値上がりしていること、選べるプランの選択肢が増えたことが主な理由です。現在契約しているプランよりも電気量料金単価が安い、もしくは自分のライフスタイルに合っているプランに切り替えることで、従来よりも電気代はお得になる可能性があります。
2023年6月以降に予定されている電気代の値上げを踏まえてもなお、新電力への乗り換えによって電気代は節約できるはずです。
Q. 電力会社の乗り換えに適したタイミングは?
電力会社の乗り換えに適したタイミングとして、代表的なパターンは下記のとおりです。
- <電力会社の乗り換えに適したタイミング>
- ・現状、電気代が高いと感じているとき
- ・ライフスタイルが変化したとき
- ・家族構成が変わったとき
- ・引越しをするとき
電力会社の乗り換えは基本的にいつでも可能ですが、上記のようなタイミングであれば電気代の節約につながる確率がいっそう高まるでしょう。
2016年4月1日以降、契約する電力会社を消費者が自由に選べるようになりました。電気の使い方に合った料金プランを選ぶことで、電気代はしっかり抑えられるはずです。
Q. 電力会社を乗り換える際には、どんなことをチェックしたらいい?
まずは、電力会社を切り替えた後に、本当に電気代が安くなるかを確認しておくことが重要です。料金シミュレーションが用意されていたら、必ず実施するようにしましょう。また、解約金は発生するか否か、発生する場合は金額と条件はどうなっているかも確認してください。契約年数の縛りがあるかもチェックおくと安心です。
なお、電力会社を切り替えても、供給される電気の質や停電時などの対応に変わりはありません。電気を作る発電や、電気を送る送配の多くは従来のまま大手電力会社が管轄しており、契約する小売電気事業者のみが変更となるケースがほとんどだからです。
Q. 電力会社を乗り換える際の手続き方法とは?
電力会社の乗り換えの多くは、新たに契約する電力会社のWEBサイトでの申込みが可能です。新電力の多くが書類のやりとりは不要で、インターネットで契約手続きが完了します。
また、乗換先の電力会社に申し込めば、現在契約中の電力会社への解約手続きなどは不要です。契約の処理が完了次第、新たな料金プランが適用されます。
なお、電力会社によっては、使用電力量がリアルタイムで確認できるスマートメーターを設置するケースsindenryokuがあります。これまで使っていた電気メーターの撤去やスマートメーターの設置作業は新たに契約する電力会社が手配してくれるため、契約者が対応すべきことは特にありません。電力会社の乗り換えは非常に簡単な手続きのみで完了しますので、契約の切り替えをぜひ検討してみてください。
【まとめ】電力会社を乗り換える際は「HTBエナジーでんき」のご検討を
電力会社を乗り換えることで、家計を節約できたりライフスタイルに合った適正価格のプランを選べたりできるのは大きな魅力です。自分に合った電気料金プランを見つけて、電気をお得に利用しましょう。
なお、電力会社を乗り換える際には、契約件数26万件突破(2020年10月現在)の「HTBエナジーでんき」をおすすめします。電気量料金単価が割安になる時間帯が3種類から選べるプランのほか、オール電化住宅専用プラン、CO2削減に貢献できるプランなどを提供しています。
5つの質問に答えるだけで電気代がどれだけお得になるかわかる料金シミュレーションも用意していますので、電力会社の乗換時にぜひご検討ください。
\新電力への切り替えなら
「HTBエナジーでんき」に/