電気ヒーターの電気代・消費電力は高い?特徴や節約方法を解説
ところで、電気ヒーターとはどのような暖房器具なのでしょうか。また、ほかの暖房器具とどのような特徴の違いがあるのか、電気代はほかの暖房器具と比べて高いのか安いのか、気になる点は多いはずです。今回は、電気ヒーターの特徴を、電気代を効果的に抑える節約方法と併せてご紹介します。
目次
電気ヒーターは、電気から熱を作り出す装置の総称
電気ヒーターとは、電気から熱を作り出す装置の総称です。家電店などでは「セラミックヒーター」「パネルヒーター」「カーボンヒーター」といった名称で販売されています。それぞれ熱を作り出す仕組みは異なりますが、いずれも電気から熱を作り出していることから電気ヒーターの一種といえるのです。
暖房器具には「ヒーター」のほかに「ストーブ」がありますが、一般的にストーブは燃料を燃やした熱で部屋を暖める暖房器具で、ヒーターは放熱や温風で暖める暖房器具とされています。まずは、ヒーターの種類ごとに仕組みや特徴を押さえていきましょう。
遠赤外線の熱をファンで送り出す「セラミックヒーター」
セラミックヒーターは、電熱線を耐熱性の高いセラミックで覆い、放出された遠赤外線の熱をファンで送り出すタイプの暖房器具です。電源を入れた直後から温風を吹き出すため、短時間で限られた空間を暖めるのに適しています。コンパクトで軽量の製品が多く、簡易的なエアコンの暖房のように使用できる点が特徴です。
電熱線の熱をパネルから放出し、周囲の空気を暖める「パネルヒーター」
パネルヒーターとは、電熱線の熱をパネルから放出し、周囲の空気を暖めるタイプの暖房器具です。後述するオイルヒーターよりも放熱するまでの時間が短く、コンパクトな製品も多く販売されています。デスク下のような限られたスペースでも使用できるなど、狭い範囲を集中的に暖めるのに適した暖房器具です。
発熱体の熱を周囲の空気へ直接伝える「赤外線ヒーター」
赤外線ヒーターは、発熱体が放出する熱を周囲の空気へ直接伝えるタイプの暖房器具であり、総称として「電気ストーブ」とも呼ばれます。発熱体に使用する素材によってそれぞれの呼称は異なりますが、主な種類としては下記の4つがあります。
種類 | 発熱体 | 赤外線の種類 | 特徴 |
---|---|---|---|
ハロゲンヒーター | ハロゲンランプ | 近赤外線・遠赤外線 | ・暖かさを感じにくい ・電気代が高い |
カーボンヒーター | カーボン(炭素) | 遠赤外線 | ・ハロゲンヒーターよりも暖かい ・電気代が比較的安い |
グラファイトヒーター | グラファイト(黒鉛) | 遠赤外線 | ・カーボンヒーターよりも暖かい ・電気代が比較的安い |
シーズヒーター | 金属管 | 遠赤外線 | ・発熱体の耐久性が高い ・速暖性に優れている |
電気ヒーターと、エアコン・電気ストーブ・オイルヒーターの違い
続いては、電気ヒーターとそのほかの暖房器具の特徴を比べてみましょう。それぞれ長所・短所があるため、暖房器具ごとの特徴を押さえておくことが大切です。
電気ヒーターの特徴
電気ヒーターは、電気の力で発熱体を加熱させるため、周囲の空気を汚すことがなく、安全性も高い点が特徴です。ファンを使わないタイプの電気ヒーターであれば、運転音をほとんど発しないため、静かな環境でも違和感なく使用できます。
ただし、電気代はほかの暖房器具と比べてやや高いのが短所です。主な電気ヒーターの種類ごとに電気代(※)をまとめると、下記のようになります。
(※)全国家庭電気製品公正取引協議会が「新電力料金目安単価」として示している価格は、1kWhあたり27円(税込)です。本記事でも1kWhあたり27円で電気代を計算します。
また、1日平均は8時間使用、1ヵ月平均は30日間使用を想定します。
暖房器具 | 消費電力の目安 | 電気代 (1時間あたり) |
電気代 (1ヵ月あたり) |
---|---|---|---|
カーボンヒーター(※1) | 450~900W | 約12.2~24.3円 | 約2,916~5,832円 |
セラミックヒーター(※2) | 650~1,200W | 約17.6~32.4円 | 約4,212~7,776円 |
パネルヒーター(※3) | 600~1,200W | 約16.2~32.4円 | 約3,888~7,776円 |
※1 山善「DC-W091」
※2 シャープ「HX-J120」
※3 デロンギ「HMP1200J-WH」
エアコンの特徴
エアコンは、広い空間を暖められる能力を備えており、部屋全体を暖かく保つのに適した暖房器具です。温度センサーや風向・風量調節、タイマー機能など、豊富な機能を利用できることもエアコンの長所といえます。
一方、設置場所が固定されており、特定の部屋でしか利用できないこと、電気代が比較的高く6畳用の機種の場合は1時間あたり約2.8円~40円(※)、1ヵ月間使用すると約672~9,600円の電気代がかかります。
※三菱電機「MSZ-ZW2221-W」
電気ストーブの特徴
電気ストーブは、強力な熱と光を発するハロゲンランプなどによって発熱するタイプの暖房器具です。狭い範囲を短時間で暖められるため、書斎や脱衣所など限られた空間を素早く暖めるのに適しています。
ただし、暖房効果に対して電気代が割高になりやすいのが短所です。電気代は1時間あたり約8.9~27円(※)で、1ヵ月間使用すると2,136~6,480円程度かかります。
※日立「HLH-HS307」
オイルヒーターの特徴
オイルヒーターは、難燃性の油を満たしたパイプを電気の力で暖め、輻射熱で部屋を暖めるタイプの暖房器具です。表面温度が高温にならないため安全性が高く、小さな子供のいる室内でも安心して利用できます。
一方、部屋全体が暖まるまでに時間がかかり、電気代も高くなりやすいのが短所です。電気代は1時間あたり約8.1~24.3円(※)、1ヵ月使用すると約1,944~5,832円かかります。
※デロンギ「MDHU09-BK」
電気ヒーターの電気代節約方法
電気ヒーターの電気代を効果的に節約する方法をまとめました。下記に挙げる使い方を心掛けることで、電気ヒーターの電気代を抑えることができるでしょう。
狭い部屋で使用する
電気ヒーターは、狭い部屋での使用に限定すると電気代を節約できます。広い部屋全体を暖める場合は、エアコンなどほかの暖房器具を使用し、電気ヒーターは人のそばなど限られた空間を部分的に暖める場合に使いましょう。
ほかの暖房器具といっしょに使う
エアコンなどほかの暖房器具といっしょに使うことも、電気ヒーターの電気代を節約する上で重要なポイントです。帰宅直後など、エアコンで部屋全体が暖まるまでには時間がかかります。そこで、一時的に電気ヒーターを使用すると、室内温度が高まるまでの寒さ対策として効果的です。部屋が暖まった後は、電気ヒーターの電源は切りましょう。
設定温度を低めに設定する
電気ヒーターは、低めの設定温度で使用したほうが当然ながら電気代を節約できます。設定温度を上げたとしても広い部屋を全体的に暖めることはできないため、電気代と暖房効果のバランスが良いとはいえません。電気ヒーターの設定温度は基本的に、「低」などに固定しておきましょう。
電力会社を切り替える
契約する電力会社を切り替えるのも、電気ヒーターの電気代を抑える上で効果的な方法です。2016年4月に実施された電力自由化以降、消費者は任意の電力会社と契約できるようになりました。電気代が割安なプランやライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、無理なく電気代を節約できるようになったのです。電力会社を変更しても供給される電気の質に変わりはなく、停電時の対応なども従来どおりのため、安心して電気を使い続けられます。
電気ヒーターの電気代にまつわる疑問をQ&Aで解消!
電気ヒーターの電気代について、よくある質問をQ&Aにまとめました。疑問点を解消して、電気代を上手に節約していきましょう。
Q. 電気ヒーターにはどんな種類があるの?
電気ヒーターにはセラミックヒーターやパネルヒーター、赤外線ヒーターなどがあります。発熱体の種類や放熱するための仕組みは異なりますが、電気の力で熱を作り出している点は同じです。ヒーターの中でも電気代が安い傾向があるのは赤外線ヒーターです。
Q. 電気ヒーターと、ほかの暖房器具との主な違いは?
電気ヒーターは、ガスや灯油といった燃料を使用しないため、室内の空気を汚すことがなく安全性も高いという特徴があります。ファンを搭載していない機種であれば、運転音もほとんどなく静かな環境で使用するのに最適です。ただし、セラミックヒーターやパネルヒーターは、ほかの暖房器具と比べて電気代がやや高い傾向があります。
Q. 電気ヒーターの電気代はどうやったら節約できる?
電気ヒーターは限られた範囲を短時間で暖めるのに適しているため、狭い部屋で設定温度を低めにして使うほうが電気代の節約につながります。また、ほかの暖房器具といっしょに使い、部屋全体が暖まるまでの寒さ対策として使用するのも電気代を抑える上で効果的です。
【まとめ】電気ヒーターは、狭い範囲を短時間で暖めるという特性を活かして使おう
電気ヒーターは電気から熱を作り出す暖房器具のため、部屋の空気を汚さず安全に使用できます。一方で、電気代はほかの暖房器具と比べてやや割高ですので、いかに電気代を抑えて使用するかがポイントです。狭い範囲を短時間で暖められる、電気ヒーターの特性を活かした使い方を心掛けましょう。
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