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ガス代が高い原因とは?ガス代の目安と節約して安くする方法を解説

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ガス代が高い原因とは?ガス代の目安と節約して安くする方法を解説
特に無駄遣いをしているつもりはないにもかかわらず、毎月のガス代が高いと感じていませんか?
平均的なガス代はどのくらいなのか、我が家のガス代がかかりすぎていないか、気になっていた人もいるでしょう。
今回は、ガス代が高くなってしまう原因と上手に節約する方法を紹介します。工夫次第でガス代は節約することができますので、ぜひ実践してみてください。

1ヵ月あたりのガス代の目安

初めに、1ヵ月あたりのガス代の目安について整理しておきましょう。ガスには大きく分けて「都市ガス」と「プロパンガス(LPガス)」の2種類があります。ガスの種類によってガス代の目安も異なるため、現在使用しているガスの種類に合わせて目安を確認しておくことが大切です。

都市ガスの場合

一般家庭における1ヵ月間の標準的なガス使用量は、30㎥といわれています。東京地区の都市ガスを30㎥使用した場合、1ヵ月あたりのガス代は6,461円です(※東京ガス株式会社「ガス料金早見表」(2022年11月検針分)。
なお、都市ガスの料金は、下記の計算式で算出されます。

<都市ガスの料金>
都市ガスの料金=基本料金+従量料金(単位料金×ガス使用量(㎥))

基本料金・単位料金は、いずれも1ヵ月のガス使用量にもとづいて料金が決定されます。
具体的には、下記の例をご参照ください。

■都市ガス(東京地区)の基本料金・単位料金
1ヵ月のガス使用量 基本料金 単位料金(円/㎥)
0㎥から20㎥まで 759円 195.02円
20㎥を超え80㎥まで 1,056円 180.17円
80㎥を超え200㎥まで 1,232円 177.97円
200㎥を超え500㎥まで 1,892円 174.67円
500㎥を超え800㎥まで 6,292円 165.87円
800㎥を超える場合 1万2,452円 158.17円

※東京ガス株式会社「ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)」(2022年11月検針分)

プロパンガスの場合

エリア内にガスを供給するガス会社が基準価格を定めている都市ガスとは異なり、プロパンガスは自由料金制です。契約する事業者によって料金体系は異なりますが、一般的に都市ガスと比べてガス代が高くなる傾向があります。

一例として、東京都心の世帯が1ヵ月間に20㎥のガスを使用した場合、基本料金は平均1,952円、従量料金は1万3,929円です。都市ガスを30㎥使用した場合と比べて、2倍を超えるガス代がかかることがわかります。
プロパンガス代の計算方法は事業者によって異なりますが、一般的には下記の3種類のうちいずれかの方法で算出されています。

<プロパンガス代の計算方法>
・二部料金制:プロパンガス代=基本料金+従量料金(従量単価×ガス使用量(㎥))
・最低責任使用料金制:プロパンガス代=最低責任使用料金+従量料金(超過分のガス使用量(㎥)×従量単価)
・三部料金制:プロパンガス代=基本料金+設備使用料+従量料金(ガス使用量(㎥)×従量単価)

最も多くのプロパンガス提供事業者が採用しているのは「二部料金制」で、ガス代の基本的な計算方法は都市ガスと同じ考え方にもとづいています。
ただし、下記の例のように、プロパンガスの基本料金・従量料金はいずれも都市ガスよりも割高のため、結果的にガス代が高くなりやすいのです。

■プロパンガスの基本料金・従量料金の例
基本料金 使用量 従量料金
1,952円 5㎥ 4,900円
10㎥ 7,911円
20㎥ 1万3,929円
50㎥ 3万1,148円

※石油情報センター「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 確報(偶数月調査)」(2022年8月調査)

ガス代が高くなる原因

自宅のガス代が高くなってしまうのはなぜなのか、気になっている人もいることでしょう。続いては、ガス代が高くなりがちな主な原因をまとめました。
前述したガス代の目安と比べて、自宅の月々のガス代が高いと感じるようなら、下記に挙げる原因にあてはまっていないかチェックしてみてください。

ガス代が高くなる原因

ガスの単価が高い

ガス代は単価に使用量を乗じて算出されるため、ガスの単価が高いと月々のガス代も高くなります。消費者は、2017年4月にガスの小売自由化が解禁されたことにより、契約するガス事業者を世帯ごとに選択できるようになりました。しかしその結果、契約するガス事業者によってガス単価に差が生じるようになったのです。

また、都市ガスと比べてプロパンガスはガスの単価が高く設定されているケースが多く見られます。プロパンガスを使用している世帯の場合、そもそもガスの単価が高い可能性があると捉えてください。
さらに、同じガス会社でも、時期によってガス代が変動することもあります。ガス代は「原料費調整制度」にもとづき、毎月価格が見直されているからです。原料費が上がればガスの単価も高くなるため、ガス代が高いと感じる原因になっていると考えられます。

ガスの使用量が多い

ガス代は使用量に応じて算出されるため、使用量が多くなれば高くなります。都市ガス・プロパンガスを問わず、ガスの使用量が増えるとガス代に反映される点は同じです。

ガスの使用量を考える際のポイントとしては、季節によって使用量が変動しやすいことが挙げられます。冬場など、暖房器具や給湯器を使用する頻度が高くなる時期には、ガスの使用量が多くなりがちです。下記のとおり、ガス代の平均額は、時期によって差が開いていることが確認できます。
なお、世帯人数と比例して金額が増えていない箇所があるのは、親が子供といっしょにお風呂に入るなど、世帯の生活時間帯が同じ傾向にあることも要因のようです。

■季節ごとのガス代平均額
世帯人数 1~3月 4~6月 7~9月 10~12月
1人 3,562円 3,313円 2,275円 2,642円
2人 5,599円 4,714円 3,232円 3,774円
3人 6,225円 5,373円 3,773円 4,347円
4人 6,542円 5,287円 3,578円 4,121円
5人 6,620円 5,770円 3,324円 3,819円

※総務省「家計調査(家計収支編)2021年

このように、ガス代はガスの使用量によって大きく変動することも珍しくありません。ガス代が高いと感じる場合は、月々のガス使用量を確認してみることをおすすめします。

プロパンガスを使用している

プロパンガスは都市ガスと比べて基本料金や従量料金が割高に設定される傾向があるため、プロパンガスを使用している世帯ではガス代が高くなるでしょう。

経済産業省の「ガスシステム改革小委員会」においても、プロパンガスの小売価格は都市ガスの約2倍に達していると指摘されています(※)。プロパンガスを使用していることは、ガス代が高くなりやすい一因となっているのです。

※経済産業省「ガスシステム改革小委員会 資料11 ガスシステム改革に関する意見」(2015年6月9日発表)

給湯器の熱効率が良くない

同じ価格帯のガスを使用している世帯間でも、給湯器の熱効率によってガス代に差が生じる可能性はあります。給湯器はガスを燃焼させて水を温める仕組みのため、熱効率が良くないと水温を上げるまでのガス使用量が増えてしまうからです。

給湯器の熱効率が下がる要因としては、機器の老朽化や不具合などが考えられます。メーカーや機種によって差はあるものの、古い給湯器よりも新しい機種のほうが熱効率は改善されているのが一般的でしょう。古い給湯器を使い続けている場合、給湯器の熱効率が良くないことがガス代の上昇につながっているとも考えられます。

プロパンガスが都市ガスよりも高いのはなぜ?

プロパンガスは都市ガスよりもガス代が割高になりやすいのは前述のとおりです。それでは、プロパンガスの料金が高い傾向にある理由は、どこにあるのでしょうか。主な理由として、下記の3点が挙げられます。

プロパンガスが都市ガスよりも高いのはなぜ?

自由料金制のため

プロパンガスの料金は、ガス料金の自由化が解禁される以前から業者ごとに価格を決められる自由料金制でした。それぞれの業者が独自に料金を定めているため、都市ガスと比べて高い価格帯になることもあるのです。
また、ガス代を値上げする際にも、書面を交付すれば利用者の同意は不要とされています。利用者が気づかないうちにガス代が値上げされることも十分に想定できるのが実情です。

配送コストや人件費がかかっているため

プロパンガスはガスボンベを配送・回収する必要があるため、運用には配送コストがかかります。また、ガスボンベが設置されている各家庭の設備点検を定期的に行うため、人件費がかかるのも避けられません。こうした配送コストや人件費が毎月のガス代に含まれているため、プロパンガスのガス代は高くなりやすいのです。

都市ガスはガス管の地中埋設工事に膨大な初期費用がかかるものの、地域の利用者が長期的にコストを負担するため、一世帯あたりの負担額は少なくなります。配送コストや人件費がより多くかかっている分、プロパンガスのガス代は割高になっていると考えてください。

設備費用が上乗せされているため

プロパンガスを利用するには、専用の供給設備をそろえる必要があります。各家庭に設置されている供給設備はプロパンガス会社が初期費用を支払い、ガス会社が先払いした初期費用を月々のガス代に加算することで初期費用を回収する仕組みが多いです。毎月のガス代に設備費用が上乗せされていることは、プロパンガスのガス代が割高になりやすい原因のひとつとなっています。

設備費用に関しては、「無償貸与契約」などと呼ばれる契約形態になっているケースが少なくありません。無償という呼び方をしているものの、あくまでも初期費用の負担が「抑えられる」という意味であり、利用者による料金の負担が「不要となる契約ではない」点に注意しましょう。

ガス代を上手に節約する方法

続いてはガス代を節約するために、具体的に取り組める方法をご紹介します。わずかな工夫や心掛けひとつでガス代を効果的に節約できますので、ご自身の暮らしに取り入れてみてください。

ガス代を上手に節約する方法

追い焚きの回数を減らす

お風呂の追い焚き機能を利用すると、追い焚きのたびにガスを消費することになります。お風呂は水を大量に使うため、多くのお湯を沸かすには相応のガス代がかかるので注意が必要です。

追い焚きの回数を減らすには、家族が入浴する時間帯をできるだけ集中させたり、不使用時は浴槽に蓋をして熱を逃がさないようにしたりといった工夫があります。なお、追い焚き回数を減らすために、シャワーで暖をとっても、ガスの使用量を減らす効果はあまり期待できません。できるだけ入浴時間帯を集中させるようにすることが、現実的な節約方法といえるでしょう。自動追い焚き機能を使用し続けると、入浴をしていないあいだもガスを消費し続けることになるため注意してください。

設定温度を下げる

給湯器の設定温度を下げることも、ガス代の節約につながる効果的な方法のひとつです。給湯器は水道管から供給された常温の水を設定温度まで上げるためにガスを燃焼させます。設定温度が高いほど燃焼時間が長くなるため、ガス代が膨らみやすいのです。

例えば、食器を洗う際に使用するお湯の温度を40℃から38℃に下げるだけで、年間のガス代は約1,580円節約できます(※)。設定温度は、一度変更すれば同じ温度が維持されるため、負担の少ない節約方法といえるでしょう。同様に、風呂の給湯器に関してもできるだけ設定温度を上げすぎないようにすることで無理なく効果的に節約ができます。

※経済産業省資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド 春夏秋冬

ガス暖房器具はほかの暖房器具と併用する

ガスファンヒーターなどの暖房器具は、部屋全体を短時間で暖めるのに適しています。暖房効果も強力なものが多く、寒さの厳しい季節には重宝しますが、稼働中はガスを消費し続けるためガス代がかさむ原因になりがちです。ガス暖房器具は帰宅直後など部屋全体をすぐ暖めたいときに限って使用し、部屋が暖まってきたらエアコンなど、ほかの暖房器具に切り替えることでガス代を節約できます。

ガス暖房器具は暖房効果が高いとはいえ、部屋全体に暖かい空気が行き渡るまでには時間がかかります。そこで、サーキュレーターで空気を循環させたり、足元など冷えやすい場所にはホットカーペットや電気毛布を使ったりするなど、ガス暖房器具だけに頼らないことが大切です。

ガスと電気のセット料金プランに切り替える

現在のガスの契約内容を、ガスと電気のセット料金プランに切り替えることで、ガス代を節約できる可能性があります。2017年4月にガスの小売自由化が実施されて以降、都市ガスの供給エリアでは契約するガス会社を自由に選べるようになりました。現在、さまざまなガス料金のプランが提供されているため、基本料金や従量料金がお得なガス会社に切り替えることも可能です。

また、ガスと電気をセットで申し込むとセット割引が適用され、ガス代がさらにお得になることもあります。ガス・電気の小売事業者の多くは料金シミュレーションをWEB上で提供しているため、セット割引の価格と現在のガス・電気代を比較しましょう。

ガス代にまつわる疑問をQ&Aで解消!

ガス代にまつわる疑問をQ&Aで解消!

ガス代に関して、よくある疑問をQ&Aにまとめました。疑問点や不明点を解消して、ガスを上手に活用しましょう。

Q. 1ヵ月あたりのガス代の目安は?

東京地区の都市ガスを30㎥使用した場合、1ヵ月あたりのガス代は6,461円です。
東京都心の世帯が1ヵ月間に20㎥のプロパンガスを使用した場合は、基本料金が平均1,952円、従量料金は1万3,929円です。都市ガスを30㎥使用した場合と比べて、プロパンガスは割高であることがわかります。

Q. ガス代が高くなる原因は?

自宅の月々のガス代は、さまざまな原因で高くなります。一例として、「契約しているガスの単価が高い」「ガスの使用量がほかの人よりも多い」「プロパンガスを使用している」「給湯器の熱効率が良くない」といった原因が挙げられます。

Q. ガス代を上手に節約する方法は?

ガス代を上手に節約するには、「お風呂の追い焚きの回数を減らす」「給湯器の設定温度を下げる」「ガス暖房器具はほかの暖房器具と併用する」といった方法が挙げられます。
「ガスと電気のセット料金プランに切り替える」という方法も、手間がかからずおすすめです。

【まとめ】ガス代の節約には電気事業者の切り替えも検討を

ガス代が高くなる原因には、契約しているガス料金に起因するものと、ガスの使い方に起因するものがあります。前者は契約するガス会社、後者は節約のポイントを押さえた使い方によって月々のガス代を抑えることができるでしょう。今回解説してきたポイントを参考に、ぜひ、ガス代を節約してください。

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