ガス会社の乗り換えは何が必要?賃貸の場合は?手続き方法やポイント
今回は、ガス会社を乗り換える際に必要なことや、事前にチェックしておきたいポイントをわかりやすく解説します。ガス会社の乗換方法にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
都市ガスの自由化によってガスも乗換可能に
2017年4月に都市ガスの小売が自由化されたことにより、消費者は契約する都市ガス会社を自由に選べるようになりました。プロパンガス(LPガス)は以前から契約するガス会社を選ぶことができた一方、都市ガスは居住地域によって管轄するガス会社が決められていました。
しかし、都市ガスの小売が自由化されたことで、使用するガスの種類によっては契約先のガス会社の制約がなくなったのです。
都市ガスの小売が自由化されたことは、コスト面を中心にガスの利用者に大きな恩恵を生んでいます。
ガス会社の乗り換えは賃貸物件でもできる?
賃貸物件でもガス会社の乗り換えは可能か否か、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと契約する都市ガス会社を変更しても、ガスが送られてくる導管が変わることはありません。そのため、マンションやアパートなどの賃貸物件も、入居後にガス会社を変更することができます。
しかし、物件によっては、契約するガス会社を物件の所有者または管理会社が指定している場合もある点には注意してください。入居時に交わした契約書や重要事項説明書を確認し、ガス会社に関する規定が設けられていないかはよく確認しておきましょう。不明点があれば、大家さんか管理会社に聞いてみることをおすすめします。
ガス会社・ガス料金プランを比較する際の手順
ここでは、契約するガス会社やガス料金プランを比較する際の手順を紹介します。順を追って下記の3点を行っていきましょう。
1. 契約中のガス会社の契約内容とガスの使用状況を確認する
現在契約しているガス会社はどのような契約内容になっているのかについては、ガスの使用状況と併せて確認しておくことが大切です。
毎月の検針時に発行される「ガス使用量のお知らせ」や、ガス会社のWEBサイトの契約者向けページなどには、契約プラン名や使用量が記載されています。契約中の基本料金や従量単価がいくらなのか、現状のガス料金が月々いくらかかっているのかをまずは確認してください。
2. 都市ガスの供給エリアを確認する
都市ガスは全国どこでも利用できるとは限りません。例えば、山中や離島に居住地がある場合は、都市ガスの供給エリアからは外れているかもしれません。自分の居住地が都市ガスの供給エリアか否かを確認するには、各ガス会社のWEBサイトを確認しましょう。限られた地域のみに都市ガスを供給している会社もあれば、複数エリアへの供給に対応している都市ガス会社もあります。
3. プランの料金表や特典などを比較検討する
都市ガスの供給エリアであることが確認できたら、さまざまなガス会社のプランの料金表を比較検討しましょう。比較する際のポイントは下記の3点です。
- <都市ガス料金の比較ポイント>
- ・基本料金
- ・従量料金(従量料金単価・原料費調整額)
- ・割引や特典の有無
現在のガス使用量のままガス会社を乗り換えた場合、月々のガス料金がどのように変わるのかシミュレーションしておくことをおすすめします。基本料金や従量料金がほとんど変わらないように見えたとしても、割引や特典を含めると現状よりもお得になる場合もあるでしょう。
都市ガスを比較検討する際は、実際のガス料金を算出して比較することが重要です。
ガス会社と契約する前に押さえておきたいこと
乗り換えるガス会社が決まったら、契約する前に準備しておくべきことや、知っておくべきことがあります。ここでは、ガス会社との契約時に押さえておきたいことを紹介します。
利用中のガス会社のお客様番号と供給地点特定番号が必要
新たなガス会社へと契約を乗り換える際には、利用中のガス会社の「お客様番号」と「供給地点特定番号」を伝える必要があります。いずれも検針票または各ガス会社のWEBサイトで確認できるため、あらかじめメモをしておきましょう。
契約中のガス会社への解約手続きは不要
現在の住所地のまま契約するガス会社のみ乗り換える場合には、契約中のガス会社への解約手続きは基本的に不要です。新たに契約するガス会社が、現在契約中のガス会社に連絡をとって解約の処理を進めてくれます。都市ガスのユーザーに必要な手続きは、乗換先のガス会社との契約のみです。
ガスの乗換完了までは時間がかかる
ガス会社を乗り換えてから実際に契約が切り替わるまでには時間がかかります。通常は1~2ヵ月程かかるとみておいてください。契約したその日から新たなガス会社の契約に切り替わるわけではない点には注意しましょう。
プロパンガス会社を乗り換える際のポイント
前述のとおり、プロパンガス会社はガスの小売自由化以前から契約するガス会社を自由に選べます。ただし、プロパンガスの料金設定や契約内容はガス会社ごとに異なる点には注意が必要です。プロパンガスを乗り換える際には、下記の点を必ずチェックして、乗り換えをスムーズに進めましょう。
料金設定を確認する
プロパンガスの料金は「基本料金」と「従量料金」で構成されています。これらの料金はプロパンガス会社が各社自由に設定できることから、どのガス会社と契約するかによって料金が大きく異なることも珍しくありません。
近年はプロパンガスの原料であるLNG(液化天然ガス)の価格が上昇していることから、従量料金を値上げしているガス会社が多いのも実情です。適正価格でガスを提供しているかどうかを見分けるには、「原料費調整制度」にもとづく従量料金の調整が行われているかを確認するといいでしょう。
原材料費の増減を加味して販売価格を決定しているプロパンガス会社であれば、極端に高い料金を設定している可能性は低いからです。
解約時に違約金が発生するか確認する
プロパンガス会社の中には、解約時に違約金が発生する契約内容になっているケースも少なくありません。違約金の有無は、ガス会社とのあいだで「無償貸与契約」を結んでいるかどうかによって判断できます。
無償貸与契約とは、ガス管を埋設する際の工事費用やガスの供給に必要な設備費用をガス会社が負担することと引き換えに、契約者にはガスを一定期間利用するよう義務付ける契約のことです。契約期間はガス会社によって異なりますが、一般的には10~15年契約のパターンが多く見られます。
無償貸与契約を結んでいる場合、契約期間中に解約を申し出ると違約金を請求される可能性があります。違約金は契約年数によって異なるため、無償貸与契約の有無や違約金の額が不明の場合は、契約中のプロパンガス会社に問い合わせておくといいでしょう。
乗換時にはトラブルがあることも想定する
ガスの契約先の乗り換えは、プロパンガス会社から見ると「顧客を競合他社に奪われてしまう」ことを意味します。そのため、乗換手続きを進める際に契約中のプロパンガス会社から引きとどめられたり、契約書に記載のない違約金を請求されたりする可能性もゼロではありません。
しかし、契約先のプロパンガス会社を自由に選択できることは、消費者に認められている正当な権利です。解約を引きとどめられた場合は、「乗り換えることに決めた」と明確に伝えて解約手続きを進めてもらいましょう。不当な違約金をいわれるままに支払ってしまうことのないよう、契約書はしっかりと確認しておくことが大切です。
都市ガス会社の乗換方法
ガスの小売が自由化されたことに伴い、各ガス会社はさまざまな料金プランを提供するようになりました。現在契約している都市ガス会社を別の都市ガス会社に乗り換えるだけで、ガス料金が変わる可能性はあります。ここでは、都市ガス会社を乗り換える際の手順を確認しておきましょう。
1. 料金シミュレーションなどでガス料金を確認する
まずは、乗換先の候補となるガス会社をいくつかピックアップし、料金プランやサービス内容を比較検討します。基本料金・従量料金のほか、割引サービスや特典についても確認しておくことが大切です。複数の都市ガス会社を比較していけば、自分に合ったプランも選びやすくなるでしょう。
各ガス会社のWEBサイトでは、料金プランやガス使用量をもとに、月間・年間のガス料金などを試算できるシミュレーションを提供している場合があります。シミュレーションを利用すれば、具体的なガス料金のイメージがつかみやすくなり、現在契約している都市ガス会社よりもお得になるかどうかがより明確になるはずです。
2. インターネットや電話で申込みをする
乗換先の都市ガス会社が決まったら、契約の申込みをしましょう。申込み手続きはインターネットや電話で行うことができます。契約時に伝える必要がある情報は下記のとおりです。
- <都市ガスを申し込む際に必要な情報>
- ・現在の契約者番号(お客様番号)
- ・ガス供給地点特定番号
いずれの番号についても、検針票やガス会社WEBサイトの契約者向けページに記載されています。事前にメモするなどして、尋ねられたらすぐに伝えられるようにしておくとスムーズです。
3. 契約の成立と適用開始時期を確認する
都市ガス会社への申込みが完了すると、乗換先のガス会社が現在契約しているガス会社に解約を申し入れ、手続きを進めてくれます。ガスの導管やガスメーターなどの設備は現状どおり使用することになるため、契約者側でさらなる手続きや工事の手配などを行う必要はありません。
申込みが完了すると、乗換先の都市ガス会社より、契約成立と適用開始時期が通知されます。そこで、新たな都市ガス会社との契約は具体的にいつから切り替わるのか、必ず確認しておきましょう。
プロパンガスから都市ガスへの乗換方法
現在プロパンガスを使用している場合、都市ガスへ乗り換えるにはどのような手順で進めればいいのでしょうか。このケースは、都市ガスから別の都市ガス会社へと乗り換える場合とは異なる点があるため注意してください。
1. 契約したい都市ガス会社を選ぶ
まずは乗換先の都市ガス会社を選びましょう。都市ガスは供給エリアが各社で異なるため、居住地が供給エリアに含まれているかどうか確認しておくことが大切です。
各社の基本料金や従量料金を調べ、必要に応じて料金シミュレーションを活用することでよりお得なガス会社を選びやすくなります。
2. 都市ガス会社に見積もりを作成してもらう
契約したい都市ガス会社が決まったら、見積もりを依頼します。ガス導管の引き込み工事を進めるにあたり、ガス会社が現地調査を行った上で工事費用の見積もりを提示してくれるはずです。新たにガス導管を引き込む場合、引き込み工事には10万~15万円程度、ガス設備の設置に10万~20万円程度の費用がかかるとみておいてください。見積もり内容もしっかりと確認し、不明点があれば問い合わせておきましょう。
3. 都市ガス会社と契約を締結する
見積もり内容に納得できたら、正式に契約の申込みをします。一度契約を締結すると、後で契約内容を変更できない点には注意してください。
4. 工事の日程調整を行う
ガス導管の引き込み工事の日程も調整する必要があります。この際、道路を管轄・管理している行政や土地所有者へガス会社が工事申請を行うため、基本的にはガス会社が提示する日程どおりに進めてもらえば問題ありません。
5. 契約中のプロパンガス会社の解約手続きを行う
工事日程が決まったら、現在契約しているプロパンガス会社へ解約の申入れをします。都市ガスへの切り替えが完了し、開通する予定日の前日までプロパンガスが使用できるように解約日を調整しましょう。
前述のとおり、プロパンガス会社と無償貸与契約を結んでいる場合は、解約時に違約金が発生する可能性があります。契約書をよく見返し、契約内容どおりの違約金が提示されているかどうかは確認しておくことが大切です。
6. ガス導管の引き込み工事を行う
最後に、ガス導管の引き込み工事や設備の設置工事が実施されます。都市ガスの開栓と点火テストが完了すれば、その日から都市ガスは利用可能です。プロパンガスと都市ガスでは使用できる機器が異なるため、ガスコンロやガスファンヒーターなどを都市ガス対応のものに買い替えておくことも忘れないようにしてください。
ガスの乗り換えにおける疑問をQ&Aで解消!
ガスの乗り換えに際して、よくある質問と回答をQ&Aにまとめました。疑問点や不明点を解消して、ガス会社の乗り換えをスムーズに進めましょう。
Q. ガス会社は契約を乗り換えることができますか?
ガス会社は利用者の意思で契約を乗り換えることができます。2017年4月に都市ガスの小売が自由化されたことにより、消費者は契約する都市ガス会社を自由に選べるようになりました。プロパンガスは以前から契約するガス会社を自由に選べる仕組みになっていたため、ガスの小売が完全に自由化されたことになります。
なお、契約先のガス会社を変更してもガスが送られてくる導管は変わりません。そのため、変更契約の乗り換えはマンションやアパートなどの賃貸住宅でも可能です。
Q. ガス会社の料金プランを比較する際のポイントを教えてください。
ガス会社やガスの料金プランを比較する際にチェックしておきたいポイントは下記のとおりです。
- <ガス会社の料金プランのチェックポイント>
- ・自宅が都市ガスの供給エリアに含まれているか
- ・契約中のガス会社はどのような契約内容になっているか
- ・現在のガスの使用状況(現状どの程度のガス料金がかかっているか)
- ・基本料金・従量料金・割引や特典の有無
各ガス会社のWEBサイトでは、料金シミュレーションを提供している場合があります。現在のガス使用量で試算した場合、月間・年間のガス料金がどの程度お得になるかシミュレーションしておくといいでしょう。
Q. 都市ガス会社を乗り換える方法を教えてください。
都市ガスを別の都市ガス会社へと乗り換える際の手順は、下記のとおりです。
- <都市ガスの乗換手順>
- 1. 料金シミュレーションなどでガス料金を確認する
- 2. インターネットや電話で申込みをする
- 3. 契約の成立と適用開始時期を確認する
申込み時には「現在の契約者番号(お客様番号)」と「ガス供給地点特定番号」の2点が必要です。いずれも検針票やガス会社のWEBサイトの契約者向けページで確認できます。現在契約しているガス会社への解約申入れは乗換先のガス会社が行ってくれるため、契約者が解約を申し入れる必要はありません。
Q. プロパンガスから都市ガスに乗り換える方法を教えてください。
プロパンガスから都市ガスへ乗り換える際には、下記の手順で進めます。
- <プロパンガスから都市ガスの乗換手順>
- 1. 契約したい都市ガス会社を選ぶ
- 2. 都市ガス会社に見積もりを作成してもらう
- 3. 都市ガス会社と契約を締結する
- 4. 工事の日程調整を行う
- 5. プロパンガス会社の解約手続きを行う
- 6. ガス導管の引き込み工事を行う
プロパンガス会社へ解約の申入れをする際、無償貸与契約を結んでいる場合は解約違約金を請求される可能性があります。契約書は事前によく確認し、違約金の有無や算出方法を把握しておくことが大切です。
【まとめ】HTBエナジーのガスと電気のセット料金なら、光熱費を抑えられる
ガス会社を乗り換えれば、現在よりもお得な料金プランに加入できる可能性があります。今回ご紹介したポイントや注意点を参考に、ガスの乗り換えをスムーズに進めてください。
HTBエナジーでは、ガスと電気をどちらも申し込むことにより割引が適用される「セット割」プランをご用意しています。光熱費が毎月102円、年間で1,224円お得になるため、効果的に光熱費を抑えられるでしょう。ガス会社の乗り換えを検討中の方は、HTBエナジーのガス・電気セット割プランをぜひご検討ください。
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