エアコンと扇風機の電気代はどっちが安い?併用で節電するコツも解説
今回は、エアコンと扇風機の電気代を比較し、夏の節電に役立つポイントを解説。エアコンと扇風機を上手に併用するコツについても、詳しくご紹介します。
目次
エアコンよりも扇風機のほうが電気代は安い?
始めに、「エアコンよりも扇風機のほうが電気代は安い」というイメージが事実かどうかを検証するために、扇風機の電気代を計算します。電気代の計算方法をご紹介しますので、ぜひ自宅で使用している扇風機の電気代も計算してみてください。
扇風機の電気代の計算方法
リビングでの使用を想定した比較的大型の扇風機(消費電力量21kWh)を例に、扇風機の電気代を計算します。1時間あたりの電気代を算出するには、下記の計算式を用います。
- <1時間あたりの電気代の計算式>
- 1時間あたりの電気代(円)=消費電力量(Wh)÷1,000×電気料金単価(31円/kWh)
- 2023年7月現在、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が発表している電気料金の目安単価は31円/kWhです。消費電力量21Whの扇風機の場合だと、1時間あたりの電気代は21Wh÷1,000×31円/kWh=約0.7円となります。
扇風機の1ヵ月あたりの電気代
仮に、扇風機を1日24時間×30日間つけっぱなしにした場合、どれだけの電気代がかかるのでしょうか。先に計算した1時間あたりの電気代をもとに算出してみます。
- <扇風機の1ヵ月あたりの電気代>
- 約0.7円×24時間×30日=約468.7円
- 扇風機は1ヵ月間動かし続けたとしても、1ヵ月あたり500円未満の電気代で済むことがわかります。全世帯の電気代平均が月額1万559円(※)であることを踏まえると、扇風機にかかる電気代は4.4%程度です。
※総務省「家計調査 家計収支編(2022年)」
扇風機のモーターの種類による電気代の違い
扇風機の電気代は、搭載しているモーターの種類によっても異なることをご存じでしょうか。扇風機に搭載されているモーターは、主に「ACモーター」と「DCモーター」の2種類があります。それぞれの特徴と電気代の違いについて見ていきましょう。
ACモーターの扇風機
ACモーターは、長年にわたって扇風機に採用されてきたモーターです。風量のモードが弱・中・強の3段階など、段階的になっているものはACモーター搭載機種と考えていいでしょう。ACモーターの扇風機は、後述するDCモーター搭載機種よりも本体価格が安い傾向があるため、現在でもさまざまな場所で使われています。
リビングでの使用を想定したACモーター搭載扇風機(※)の場合、消費電力量は39Whです。1日24時間つけっぱなしにした場合の電気代は約29.0円、1ヵ月(30日間)の電気代は約870.5円となります。
※日立グローバルライフソリューションズ株式会社「HEF-AL300E」
DCモーターの扇風機
DCモーターは、比較的最近の扇風機に搭載されるようになったモーターで、ACモーター搭載機種と比べると風量をより細かく調整することができます。製品によっては「弱」よりも弱い「微風」というモードを使用できるなど、より柔軟に風量を調節できる点が大きな特徴です。
リビングでの使用を想定したDCモーター搭載扇風機(※)の場合、消費電力量は21Whです。1日24時間つけっぱなしにした場合の電気代は約15.6円、1ヵ月(30日間)の電気代は約468.7円となります。DCモーター搭載モデルの扇風機はACモーター搭載モデルよりも本体価格が高い傾向がありますが、電気代に関してはDCモーターのほうが抑えられるケースが多いのです。
※日立グローバルライフソリューションズ株式会社「HEF-DL300E」
エアコンと扇風機の電気代を比較
エアコンと扇風機の電気代は、どの程度違うのでしょうか。エアコンと扇風機を併用するコツと併せて解説します。
扇風機はエアコンより電気代が安い
8畳用のエアコンを冷房運転で使用した場合、定格消費電力量は710Wh(※)です。前述の扇風機と同様に、1日24時間・月30日間つけっぱなしにした場合の電気代を算出してみましょう。
- <8畳用エアコンの電気代>
- ・1時間の電気代:約22.0円
- ・1日の電気代:約528.2円
- ・1ヵ月の電気代:約1万5,847.2円
※日立グローバルライフソリューションズ株式会社「RAS-AJ25N」
エアコンと比べると、1ヵ月あたりにかかる扇風機の電気代はACモーター搭載機種で約5.5%、DCモーター搭載機種で約3%程度にとどまります。扇風機の電気代は、エアコンと比べて大幅に安いといえます。
こちらも併せてご覧ください。
エアコンの節約術とは?電気代を安くするコツを詳しく紹介
エアコンと扇風機の併用は節電に効果的
扇風機はエアコンと比べて電気代を大幅に抑えられるとはいえ、室温よりも低い温度の風を送ることはできません。部屋の空気を攪拌するための電化製品であるため、真夏の暑さを遮って快適な環境を整えるほどの効果はのぞめないでしょう。
扇風機の活用法としておすすめなのは、エアコンと扇風機との併用です。扇風機を併用すれば、エアコンの冷風は部屋全体に行き渡りやすくなります。
また、扇風機の電気代はエアコンの数%程度のため、併用したとしても電気代が跳ね上がることは考えられません。むしろ、エアコンの冷房効果を高めることにで、より短時間で効率良く部屋の温度を下げられるのです。
エアコンと扇風機を併用することで得られる節電効果
エアコンは部屋全体の温度を調整するのに適した電化製品ですが、冷房で部屋全体を十分に冷やすまでには時間がかかります。エアコンは部屋の温度が設定温度に達するまで高出力で運転を続けるため、部屋の温度が下がりにくい状態が続くとそれが電気代に反映されるのです。
エアコンと扇風機の併用でおすすめの利用方法は、扇風機によって床付近に溜まっている冷気を部屋全体に行き渡らせることです。そうすることで、より短時間で部屋全体が冷えやすくなり、結果として電気代も抑えられるのです。
エアコンと併用時に注意したい扇風機の置き場所
エアコンと扇風機を併用する際には、扇風機の置き場所にも注意しましょう。エアコンの冷風を部屋全体に効率良く行き渡らせるには、下記のいずれかの置き場所が適しています。扇風機の置き場所を工夫すれば、足元付近に溜まりやすいエアコンの風を部屋全体に広げることができるのです。
- <エアコンと併用時の扇風機の置き場所>
- ・エアコンから送られてくる風に背を向ける形で扇風機を設置する
- ・風機の羽の部分を上向きに設置し、エアコンの風向は水平かスイングにして使用する
夏の電気代を節約するポイントを一挙紹介
ここでは、夏の電気代を効果的に節約するための、7つのポイントをまとめました。扇風機やエアコンを使用する際には、下記に挙げるポイントをできるだけ押さえておきましょう。
1 扇風機はDCモーターを選ぶ
扇風機には、ACモーター搭載モデルとDCモーター搭載モデルがありますが、消費電力を抑えられるのはDCモーター搭載モデルです。本体価格はACモーター搭載モデルよりも高い傾向があるものの、長い目で見ると電気代を抑えることができます。扇風機を新たに購入する際には、できるだけDCモーター搭載モデルを選びましょう。
2 エアコンのフィルターと室外機を掃除する
エアコンのフィルターはこまめに掃除し、ほこりで目詰まりしないように気を配りましょう。フィルターが汚れていると、エアコンが十分に空気を取り込むことができず、冷房効率が低下してしまいます。結果的に室温が設定温度になるまでに時間がかかり、電気代が高くなる原因となるのです。
また、室外機のフィン(熱交換器)や正面の吹き出し口が汚れていないか、室外機周辺に遮蔽物が置かれていないかも定期的にチェックしてください。吹き出し口が汚れている場合には、内部に水が入らないよう固く絞った雑巾などで拭き取ります。フィンは強くこすると変形するおそれがあるため、あまり力を入れず表面の汚れを落とす程度にしてください。
3 扇風機を窓の外に向けて部屋の熱を逃がす
帰宅直後など、室内に熱気がこもっている場合には、扇風機で熱気を逃がすのもひとつの方法です。窓を開け、扇風機を窓の外に向けて回すことで、部屋の熱をより早く逃がすことができます。
4 扇風機の風向きを工夫する
部屋の空気の流れを考慮して、扇風機の風向きを工夫するのも大切なポイントです。冷たい空気は部屋の床部分に溜まりやすい性質があるため、扇風機はできるだけ上向きにしたほうが空気を循環させやすくなります。
冷たい空気を扇風機で巻き上げ、天井付近に溜まった暖かい空気を攪拌させれば、部屋全体が効率良く冷えていきます。
5 保冷剤などで冷たい空気を作る
扇風機の背面または前面に保冷剤を装着し、冷たい風を作り出すのも部屋を効果的に冷やす有効な方法といえます。扇風機自体には室温を下げる効果はありませんが、保冷剤から放出される冷気を利用して冷たい空気を送り出せるようにするのです。
今では、扇風機への取り付けが可能な専用保冷剤も販売されているため、エアコンの冷房効果を助けるツールとして活用してみてはいかがでしょうか。
6 カーテンやすだれで日差しを遮る
部屋の温度が上昇する原因のひとつに、夏場の強い日差しが挙げられます。直射日光があたっていると、冷房で冷気を送り出してもすぐに暖められてしまうため、なかなか部屋全体が冷えないという状況になります。
そんなときは、カーテンやすだれで日差しを遮り、エアコンの冷房効果を妨げないようにしましょう。遮熱性の高いカーテンも販売されていますので、部屋のカーテンを取り替えてみるのもひとつの方法です。
7 電気料金プランを見直す
契約している電気料金プランや電力会社を見直すことも、無理なく電気代を節約する上で効果的です。2016年4月以降、契約する電力会社を消費者が自由に選べるようになりました。新電力も選択肢に含めて検討することで、自分にとってよりお得な電気料金プランが見つかる確率も高まるでしょう。基本料金や従量料金が現状よりもお得になるプランを見つけられれば、無理のない節電対策になります。
電気代が安くなる?新電力選びのポイント
新電力には多くの事業者が参入しているため、どのプランを選んだらいいのか迷ってしまう場合もあるでしょう。ここでは、おすすめの電気料金プラン例と併せて、新電力を選ぶ際のポイントを紹介します。
自身の生活スタイルに合っているか
新電力選びの際は、自身の生活スタイルを振り返り、電気を多く使う時間帯を押さえておくことが大切です。例えば、日中は仕事などで不在にすることが多く、夜間を中心に電気を使うのであれば、夜間の電気代がお得になるプランを選んだほうが、より高い節約効果を得られます。
HTBエナジーでは、毎日2時間電気代が無料になるプランを提供しています。無料の時間帯は6~8時、19~21時、22~24時の3パターンから選べるため、自身の生活スタイルに合わせて活用できるでしょう。
お得なサービス内容を選べているか
電気代だけでなく光熱費全体がトータルで安くなるお得なサービス内容を選ぶことも、意識しておきたいポイントです。例えば、電気とガスをセットで申し込むことにより、セット割引が適用されるケースも少なくありません。
HTBエナジーでは、電気とガスをまとめると年間の光熱費がお得になるプランを提供しています。水漏れなどの緊急対応やスマホ保険が適用される「あんしんサポート365プラス」も無料で付帯していますので、電気以外のサービスもお得に活用できるでしょう。
エアコンと扇風機の電気代についての疑問をQ&Aで解消!
エアコンと扇風機の電気代について、よくある質問をQ&Aにまとめました。疑問点を解消して、夏場の電気代を効果的に節約していきましょう。
Q. 扇風機の電気代は安い?
扇風機は電気代が安く、節電効果の高い電化製品といえます。一般的なリビング用の扇風機であれば、1日24時間×1ヵ月間つけたままにしても月間の電気代は500円未満です。これは、一般的な家庭が払っている月々の電気代の4〜5%程度です。扇風機はさまざまな電化製品の中でも、電気代が安いといえるでしょう。
Q. エアコンと扇風機の併用で電気代を節約する方法は?
エアコンと扇風機を併用すれば、エアコンの冷房効果を高めることができます。下記のいずれかの位置に扇風機を設置すれば、エアコンから吹き出される冷風が部屋全体へと効率的に広げられるでしょう。
- <アコンと併用時の扇風機の置き場所>
- ・エアコンから送られてくる風に背を向ける形で扇風機を設置する
- ・扇風機の羽の部分を上向きに設置し、エアコンの風向は水平かスイングにして使用する
冷たい空気は部屋の床部に溜まりやすい性質があるため、扇風機の風力で冷気を拡散させるのがコツです。
【まとめ】エアコンと扇風機は効果的に併用し、電気代の節約につなげましょう
エアコンと扇風機は上手に併用することで、電気代がかさみやすい夏場の電気代を効果的に節約できます。今回紹介したポイントを参考に、エアコンの冷房効果をさらに高めて暑い夏を乗り切っていってください。
なお、電力会社を変更することで、より簡単に電気代を抑えられる場合もあります。HTBエナジーでは、生活スタイルに合わせて選べるさまざまなプランをご用意していますので、きっとご自身の暮らし方に合ったプランが見つかるでしょう。HTBエナジーへの切り替えも視野に入れて、ぜひ無理なく電気代を節約してください。
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