エコキュートとは?仕組みや特徴、メリット・デメリットを解説
目次
エコキュートとは
「エコキュート」とは、電気を利用してお湯を沸かすことができる省エネ型の給湯器です。
主にヒートポンプ技術と呼ばれる、空気中の熱を利用して高効率でお湯を作る仕組みを用いています。
従来の給湯機に比べて大幅な省エネ効果を実現でき、CO2排出量の削減にも貢献するので、環境にやさしい製品として大変注目されています。
エコキュートの仕組み・特徴
エコキュートは、お湯を作る「ヒートポンプ」とお湯を貯める「貯湯タンク」の2つで構成されています。
「ヒートポンプ」とは空気中の熱を取り込む機器です。エアコンの室外機に似たようなもので、空気を圧縮するコンプレッサーや熱を水に伝えるための熱交換器などが内蔵されています。
「貯湯タンク」はお湯を貯めておくための機器で、お湯を作るための水を給水したり、お風呂やキッチンなどに給湯したりする役割があります。
エコキュートでお湯を作る時の仕組みは以下のとおりです。
- 【エコキュートの仕組み】
- 1. ヒートポンプユニットの「熱交換器」が空気の熱を取り込む
2. 空気中の熱を吸収した自然冷媒(CO2)が「コンプレッサー」に送り込まれ、圧縮されて高温になる
3. 高温高圧になったCO2の熱が「熱交換器(給湯用)」によって、水へ伝わりお湯を沸かす
4. 使われた熱エネルギーは膨張弁で膨張されて低温に戻されて熱を吸収しやすい状態になる
エコキュートのメリット
エコキュートを導入するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、エコキュートのメリットを4つ紹介します。
光熱費を抑えられる
エコキュートを利用するメリットは光熱費を削減できる点です。空気中の熱を利用してお湯を沸かすのでガス代を節約できます。
さらにピークカット機能によって、夜間の安い電力を利用することで電気代も抑えられます。ピークカット機能とは、電気代が高い時間帯に沸き上げを停止する機能です。
エネルギー効率の高さから電気の使用量を削減でき、長期的に見て家計に優しいのが最大のポイントといえます。
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緊急時は貯水タンクとして活用できる
エコキュートの貯水タンクは、日々の給湯以外にも緊急時の水源として役立ちます。地震や台風といったような自然災害で水道が使えなくなってしまった際には、貯水タンクに蓄えられた水を生活用水に転用できます。
ただし、飲み水として使用できないので、飲料水として利用したいなら適切な処理が必要です。この機能は自然災害が増えてきている昨今、万が一の事態に備えるうえで大きな安心材料になります。
補助金を受けられる場合もある
補助金や奨励金制度を活用することにより、エコキュートを導入するための初期費用を抑えられます。各都道府県や市町村によって、対象となる補助金の種類や申請方法、条件などが異なるので事前に確認しておくことが必要です。
エコキュートの本体価格や工賃など補助の目的に違いがありますが、導入を検討している人にとっては大きなメリットといえます。
環境にやさしい
エコキュートの導入により、化石燃料を燃やすことなく温水を提供できるため、二酸化炭素の排出量を大幅に削減できます。環境への影響を最小限に抑えるため地球温暖化対策に有効であり、SDGsの促進や地球資源の保護に長期的に貢献できます。
このように、エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かす環境にやさしい「再生可能エネルギー」です。
エコキュートのデメリット
エコキュートの導入はメリットがたくさんありますがデメリットも存在します。ここからは、エコキュートのデメリットを4つ紹介します。
初期費用がかかる
エコキュートを導入する初期費用は、決して安いとはいえません。製品や設置環境によっても変動しますが、一般的な相場は工事費用込みで40~60 万円程度です。
初期費用はかかりますが、月々の光熱費を削減できるため初期投資を回収できる可能性はあります。
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設置のためのスペースが必要
エコキュートは通常の給湯器に比べてサイズが大きいので、設置スペースの確保が必要です。給湯器は薄型タイプもありますが、とくに貯水タンクは容量に応じた設置場所を確保しなければなりません。
エコキュートは一般的に屋外やベランダ、屋根裏などに設置されますが、住宅の構造や空間の利用状況によって設置が難しい場合もあります。
水圧が低下しやすい
エコキュートは、一般的な給湯器に比べて水圧が低下しやすいのもデメリットの1つです。
とくにタワーマンションのような高層型住宅、住宅密集地や飲食街のような給水圧の低い地域ではこの問題が顕著に現れます。
水圧の低下が気になる方は、高圧給湯のタイプを選ぶほか、高性能なシャワーヘッドなど水圧補正の装置を取り付ける等の解決方法を試してみましょう。
運転音が気になる場合もある
運転音が気になるのも、エコキュートのデメリットといえます。深夜に運転音が響く可能性があるので、近隣住民への配慮は欠かせません。
機種によって運転音に違いがあり、最新機種では音を抑制する工夫がされています。購入する前は実際の運転音を確認するか、仕様書で音量レベルをチェックするのをおすすめします。
エコキュートの導入が向いている家庭
エコキュートを導入するのに向いているのはどのような家庭でしょうか。ここからは、エコキュートの導入が向いている家庭を3パターン紹介します。
ランニングコストを抑えたい家庭
エコキュートは、日々の電気代などランニングコストを抑えたい家庭に向いています。エコキュートを導入するための初期費用は安くありませんが、省エネ効果によりガス給湯器に比べて月々の電気代を大きく削減できます。
電力会社の料金プランなどと組み合わせれば、ランニングコストをうまく抑えられるのでおすすめです。
昼の電気使用量が少ない家庭
昼間に家にいることが少ない家庭は、エコキュートの導入が向いています。エコキュートの電気プランには夜の電気代が低くなるものが多いので、学生や共働きといった夜の電気使用量が多い家庭におすすめです。
逆に在宅ワークなど昼の電気使用量が多い家庭の場合、電気代が高くつく可能性もあるので注意しましょう。
太陽光発電を利用している家庭
現状、太陽光発電を利用している家庭は、エコキュートの導入が向いています。太陽光発電で自家消費していれば、たとえ停電になってしまってもお湯切れになるリスクが減らせます。
また、一般的に電気代が高いといわれる日中でも、太陽光発電によってお湯が沸かせるので電気代を抑えられることが可能です。
エコキュートを導入する際の注意点
エコキュートの導入を検討する際、何に気を付けなければならないのでしょうか。ここからは、エコキュートを導入する際の注意点を3つ紹介します。
お湯切れになる場合もある
貯水タンクが空になると、お湯切れになってしまいます。貯湯タンクには容量に限界があり、容量が空になってもその都度沸かす仕組みではないため、高温のお湯の使いすぎには注意が必要です。
とくに人数の多い家庭や長時間入浴する方は、導入に当たり懸念となるでしょう。
お湯切れを避けるためには、十分な貯湯タンクの容量を選ぶのはもちろん、使うお湯の量を考慮することが必要です。
水質や入浴剤の使用に注意
エコキュートを使う時は、水質や入浴剤の使用にも注意が必要です。とくに硬水の地域では水質の影響が大きく出るため、適切なフィルターの使用や定期的なメンテナンスをおすすめします。
また、中には入浴剤の使用が非推奨のエコキュートの種類あるため、使う前に種類の確認が必要です。入浴剤を使う場合は、製品の取扱説明書や専門家のアドバイスを参考にして、エコキュートに適したものを選びましょう。
お住まいの地域環境への考慮が必要
エコキュートを導入するときは、お住まいの地域における気候や水質、電力供給などが安定しているか確認しておくことも重要です。
- ・寒冷地はエコキュートの効率が低下する
- ・硬水地は頻繁なメンテナンスが必要になる
- ・電力供給が不安定な所は停電時にお湯が作れない
上記のような地域特性を理解しつつ、エコキュートの選択や設置計画に組み入れることが、長い目で見て高い満足度を得るために重要です。
エコキュート選びの主なステップ
エコキュートを導入する際、実際にどのような手順を踏むのか知っている方は少ないでしょう。ここからは、エコキュート選びを4ステップで紹介します。
お住まいの地域環境を確認
エコキュートを選ぶ際、設置を考えているお住まいの地域環境を確認することは非常に大切なポイントです。エコキュートの使用効率には気候や温度が大きく影響するため、地域によっては特定のタイプが推奨されることがあります。
たとえば寒冷地の場合、配管やファンの凍結防止機能が備わったモデル、夏場の気温が高い地域ではより高い冷却効率を持つモデルが適するケースが多いです。地域の気候条件を考慮してエコキュートを選ぶことによって、快適に効率よく使用できるでしょう。
設置スペースとサイズを確認
次に確認するのは、適切な設置スペースとサイズです。とくに、屋外に設置するヒートポンプユニットと、室内に設置する貯水タンクのスペースを確保しておく必要があります。
それぞれのサイズ感としては、ヒートポンプユニットはエアコンの室外機ほどで。貯水タンクは一般家庭で使われる冷蔵庫程度の大きさです。
サイズに関しては、家族の人数や使用する平均水量に合わせて適切ものを選べば、無駄なエネルギー消費を防げて効率的に給湯をおこなえます。
貯水タンクの容量を選ぶ
貯水タンクの容量は規格が決められており、家庭での使用水量に合わせて選ぶことが重要です。一般的な家庭では、300L~460Lのタンクが選ばれますが、家族の人数だけでなく生活スタイルによっても必要な容量は変わります。
家族の人数が多く、使用頻度が高い家庭では、より大きな容量のタンクが必要となり得ると覚えておきましょう。
給湯タイプを選ぶ
貯水タンクとともに、給湯タイプを選びます。一般的にエコキュートは「フルオートタイプ」と「セミオートタイプ」に大きく分けられます。
フルオートタイプは、お湯を沸かすのと保温が設定時間に自動で行われるタイプです。セミオートタイプはお湯を沸かすのが手動になりますが、使い勝手が良く柔軟に運用できます。
給湯タイプを選ぶ時は「エコキュートの機能性」と「各家庭のライフスタイル」を考慮して選びましょう。
エコキュートに関するよくある質問
Q.エコキュートの耐用年数は?
A.エコキュートの寿命は一般的に10年~15年といわれています。ただし、使用頻度や使い方、メンテナンスなどによって寿命の時期が前後します。
Q.エコキュートを長持ちさせる方法は?
A.エコキュートを長持ちさせるには定期的なメンテナンスが欠かせません。多少手間ですが、掃除と点検を怠らずメンテナンスしましょう。
電気でお湯を沸かすエコキュートを導入して省エネと光熱費削減を実現しよう!
「エコキュート」とは、電気を利用してお湯を沸かせる省エネ型の給湯器です。初期費用がかかるほか、設置スペースを確保する必要がありますが、環境にやさしく光熱費が抑えられるメリットがあります。
エコキュートの設置が向く家庭であれば、注意点を踏まえて光熱費削減と環境保全を両立していくために導入を検討してみましょう。
電気代を節約するためにエコキュートの導入は理にかなっていますが、電力会社や料金プランを変更することによっても電気代は削減可能です。
「HTBエナジー」では、電気代がお得になるプランを複数ご用意しています。エコキュートを導入しても契約プランが高いものだとなかなか料金を抑えられません。HTBエナジーの豊富な料金プランから、ぜひご家庭に合うものご検討ください。
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